精神障害者家族会やすらぎの会主催研修会 一人ひとりの思いを大切に

4月28日(土)新座市精神障害者家族会やすらぎの会主催の研修会に参加させていただきました。

研修会では訪問看護ステーション『KAZOC』の看護師、三ツ井直子さん、糸山直恵さんを講師に、訪問看護ステーション設立の経緯や取り組みが紹介されました。

『KAZOC』は「新しい家族の形になれるように」という思いから名付けられたそうです。研修会の参加者同士、講師と参加者との対話を取り入れられ、和やかな雰囲気で進められました。
『KAZOC』は6つのコンセプトで運営されています。1管理しない、変容を求めない2住まい、活動、ケアの3本柱を大切に3ホームレスと長期入院の解消4病院職員の受け皿をつくる5安定した支援の供給6クライシスに地域で対応するというものです。根底には当事者、利用者の尊厳を思い、真剣に向き合う姿勢があります。

「オープンダイアローグ」とは、1980年代にフィンランドの西ラップランド地方にあるケロプダス病院で始まった治療法です。患者や家族から連絡を受けた医療チームが24時間以内に訪問し、ミーティングを行いながら症状緩和を目指す療法です。ミーティングの参加者は患者、家族、医師、看護師、セラピストらで、参加者全員が平等な立場で、症状が改善するまで毎日行われます。『KAZOC』ではオープンダイアローグの良いところを取り入れようと「対話」を大事にしています。また「開かれた対話」を進めていくうえでは個人が「開く」のと同時に支援する社会の側にも「開く」ことが求められ、当事者が地域のみんなとつながることが大事だと話されているのが印象的でした。

「外国で色んなものを取り入れても身近なところでは活かされない。家族には力のある人はいるかもしれないが今の生活で手一杯。専門家の活動に協力はしていきたいが本当に苦しんでいる人を面倒みてくれる事業所があればと思う」と、切実な思いも交流されました。

(辻みき市議・記)

精神障害者家族会やすらぎの会主催研修会

(にいざ民報 2018年5月13日 No.1764)