地域の歴史資料は市民の共有財産 国内2番目に開設 尼崎市立地域研究史料館を視察

8月9日共産党市議団は尼崎市立地域研究史料館を視察しました。
兵庫県尼崎市は今年で市制102年という歴史あるまちで、地域研究史料館は1975年に国内2番目の市立文書館として開設されました。地域の歴史を知るうえで古文書や古記録、歴史的公文書、刊行物や地図・写真などの歴史資料はかけがえのない文化遺産です。
史料館はこれらの歴史資料を収集・保存し、後世に伝え、広く市民に閲覧・公開しています。

職員は正規職員3人、嘱託員7人、臨時職員1人で運営され、地域文書館、地域史文献センター、地域史研究室という三つの性格をもち、市史編纂室も兼ねています。職員は全員が大学院出の専門職でした。
史料館では市民の皆さんが史料を利用して地域の歴史の様々なテーマについて調べていただけるよう、レファランス・サービスを行っています。平成29年度では2345人もの方が調べ方などの相談などで利用していました。
また、「尼崎市史」を読む会などの講座に660人、尼崎の近世古文書を楽しむ会に507人が参加するなど、市民参加の講座、自主グループ活動が活発に行われています。
一昨年には、「たどる調べる尼崎の歴史」(市制100周年記念刊行物)「図説尼崎の歴史」(同)を史料館が中心となって刊行しています。

尼崎市役所で各所属での保存期間が5年10年と満了し、廃棄が決定された文書を史料館職員がチェックして、その中から歴史的価値を有するものを収集・保存しています。廃棄される約3万冊の中から毎年約300冊を選別しているとの事でした。また市の広報担当が撮影してきた写真が約20万カット(昭和20年代からの市内の風景、行事など多様な写真の蓄積)を選別してデーターベースの構築を進めています。映画やマスコミからのオファーがあるそうです。

新座市は再来年、市制50周年を迎えます。新座市の歴史的公文書は、市の諸活動や歴史的事実の記録であり、市民共有の知的資源です。新座市でも尼崎市のような文書館施設が必要です。尼崎市から大いに学ぶ必要があると感じた視察でした。

(記・笠原進市議)

広報で使用した写真を選別してデーターベース化=尼崎市地域研究史料館での活動より
広報で使用した写真を選別してデーターベース化=尼崎市地域研究史料館での活動より

(にいざ民報 2018年8月26日 No.1778)