大型公共事業を優先し、福祉削る平成31年度予算が可決 共産党・市民と語る会が反対 自民・公明が賛成

笠原すすむ議員

難病見舞金やおむつ代補助金などの削減や住宅リフォーム助成制度の廃止などを盛り込んだ平成31年度一般会計予算が、自民・公明などの賛成で可決されました。共産党を代表して笠原進市議が反対討論をしました。

新座市は昨年9月に発表した財政健全化方針の中で、「増加し続ける社会保障関係経費等の歳出を賄うだけの市税等の歳入が十分に得られていない」と述べ、今年の市長施政方針では、「本市の財政運営は危機的な局面を迎えており、これまで通りの行政サービスを続けていては、この状況から脱却することはできません。」と述べて市民サービスの廃止・縮小を合理化しています。

福祉費敵視は間違い

笠原市議は「新座市の財政は危機的状況では決してない。市税は昨年より5億8320万円も増え、予算規模も大きくなっている。市民サービスを継続する財源は十分あります。社会保障関係経費を敵視する考えは間違っている。福祉の予算が増えて新座市の財政を圧迫しているのではなく、100億円以上の土地区画整理事業を2つも同時に進めていることが財政を圧迫しているのだ」と反対討論しました。

平成31年度の一般会計予算を昨年と比較すると福祉費が4億2662万円、教育費が1億1858万円も減ったのに対し、土木費が8億8000万円増えました。この中で大和田2・3丁目土地区画整理事業への支出が昨年より3億2000万円増えています。増大する土地区画整理事業費のために福祉や教育費を削っているのが平成31年度予算です。

10事業以外も廃止

笠原市議は、「今回廃止される住宅リフォーム助成制度は、市民と市内の建設業者に喜ばれてきたもので地域経済の活性化のために大きな役割を果たしてきた。重度介護高齢者手当やおむつ代補助、介護保険利用料助成などは、低所得者が自宅で高齢者を介護していくための大切な制度だ。それを削減するのは許せない。『毎月9000円の出費増になる』との市民からの訴えがあったが、年金が減り続けている中で本当に大変だ。低所得の高齢者いじめは許せない。10事業の見直し以外にも、赤ちゃんが生まれたときに絵本のプレゼントをしていたことを廃止・緑のカーテンの廃止、障がい者の憩いの森清掃委託などすばらしい事業を廃止する予算となっています。」と指摘しました。

一方で、スマートインターチェンジの研究と称して約500万円を初めて予算化した。『保谷朝霞線の新しい都市計画道路に接続する』と言っているが、馬場地域に保谷朝霞線の道路が新設されるのは何十年先の事かわからない。それでも大型公共事業に関係するものは予算化される。一方で264万円の障がい者への清掃委託は廃止される。ここにも、新座市がどの方向に向かっていこうとしているかが示されています。

市長公約にも逆行

また、保育園の待機児童は、市長選での並木市長の公約だった『待機児ゼロをめざす』とは逆に増加し続けています。放課後児童保育室の新増設が遅れているため、このままでは来年4月から放課後児童保育室でも多くの待機児が出るおそれが高くなっています。市内循環バスの全面見直しのための専門家の交通コンサルタントヘの委託も「財政が大変」との理由で見送られました。あちこちに問題のある平成31年度一般会計予算です。

(記・笠原進市議)

大型公共事業と国・県の貧弱な政策が市の財政を圧迫

(にいざ民報 2019年3月31日 No.1807)