老朽化したごみ焼却施設・十分な調査、検討を

新座市は、志木市、富士見市との3市で志木地区衛生組合を結成して、ごみの焼却、埋め立て処分やリサイクルなどを行っています。可燃ごみの焼却施設は、富士見環境センター(180トン/日、90トン炉二基)新座環境センター東工場(90トン/日)新座環境センター西工場(90トン/日)の3か所があります。

富士見環境センターの焼却炉は昭和61年3月に竣工されました。建設工事費は約41億円でした。平成12年8月にダイオキシン類対策工事を実施しました。改修工事費は約27億円でした。竣工から33年が経ち、痛みもひどくなり、毎年の修理費もかさむようになりました。型が古くなったため部品の調達にも苦労していると職員は説明しています。

富士見環境センター焼却施設の排ガス処理は、次の3つの排ガス処理設備を併用することで、国、県基準より厳しい排ガス基準値を遵守しています。(表1参照)

設備①乾式塩化水素除去設備 – 排ガス中の塩化水素ガスを消石炭と化学反応させて、除去している。
設備②湿式塩化水素除去設備 – 排ガス中の有害成分を苛性ソーダ洗浄液との化学反応により、吸収除去している。
設備③バグフィルター 3布に排ガスを通過させ、有害物質を取り除いている。

老朽化した焼却施設をどうするか3つの案を執行部は検討してきました。
①更新 – 施設を建て替えする。②長寿命化 – 主要設備機器の更新、補修する基幹的設備改良工事を実施する。③延命化 – 通常の維持補修に加え懸案設備の一部補修工事を行う。その結果、長寿命化の工事を選択しました。

この工事による延命化は通常で10年〜15年程度ということです。工事費はこれまでの維持補修費の実績とメーカーによる見積もりで推計約43億4000万円とのことです。

昨年12月の志木地区衛生組合議会で、以上のことを執行部が説明しました。笠原進市議は、「新座市では新庁舎建設について、市民検討委員会と議会の特別委員会を設置して、1年以上かけて検討してきた。60年以上は利用する新庁舎の建設費が約45億円。違う施設とはいえ、15年間の延命化の工事費がほぼ同じ43億円。十分な調査、検討が必要だ。そうでなければとても市民に説明できない。」と質問。

執行部は、「今日は初めての説明ですが、今後十分時間をかけて議会でも検討してほしい。今後の説明会のスケジュールなどは後で提案する。」と説明しました。

4月25日に、説明会スケジュール案がようやく示されました。5月28日に第1回説明会が行われ、第6回(来年3月下旬)までの案が示されました。共産党市議団としても十分に調査研究していきます。市民の皆さんに、判明したことをお知らせします。

(表1)排ガス基準

(にいざ民報 2019年5月26日 No.1813)