夫婦同姓を強制する国は世界では日本だけ

女性の社会進出が進み、結婚前に個人としての信用・実績を身につける場合が多くなった今日、夫婦別姓を選択できる制度を求める声が、年々高まっています。

日本共産党埼玉県委員会は11月16日、選択的夫婦別姓・全国陳情アクション事務局長の井田奈穂さんを講師に、選択的夫婦別姓についての学習会を開催しました。

井田さん夫婦は共に再婚同士のカップルですが、夫の手術や子ども(元夫の姓を選択)に関わる様々な手続きの煩雑さ、海外出張等の経験から、選択的夫婦別姓の必要性を感じた、と活動のきっかけを話しました。

法的に別姓で結婚できない国は世界で日本だけです。内閣府の世論調査では、結婚する人が最も多い30代は84%が賛成または容認です。アクション事務局がウェブ上で意見募集すると「自分もパートナーも法人代表。お互いこの姓名で多くのことを成し遂げてきた」「改正すれば私の名字は私の代で途切れしまう」「事実婚20年。相続とお互いの看取りが心配」「通称名と法律姓との混在で民間サービスでも不利益が発生」「特許出願や研究発表に使う通称は、会社が後ろ盾にないと保障されない」など多くの投稿があったそうです。

井田さんは「夫婦別姓は家族の一体感がなくなる」と反対する声があるけれど、夫婦別姓の国で別姓が理由の社会問題は起きていないし、強制的夫婦同姓に戻す国もない。「男女が同じ選択肢を」と夫の姓を強いる社会的圧力に、国連は改善勧告を出している。また、事実婚では病気や死亡時に家族を守れない不安や、控除や相続にもデメリットがあることを話しました。政府は旧姓併記でお茶を濁そうと、住民票のシステム変更に194億円の国費を使ったけれど、外務省は出入国時や海外滞在時にトラブルがあること、航空券の購入は通称使用できないなど認めているということです。

参院選の党首討論では、安倍首相以外の全党首が「選択的夫婦別姓を認める」に挙手しましたが、稲田朋美幹事長代行、河野太郎防衛相、石破茂元防衛相、小泉進次郎環境相が法改正に賛成の発言をするなど自民党の中にも法改正賛成が広がっていることには驚きました。

最後に「一般市民の困りごと問題です。意見書の採択にお力添えを」と結びました。

新座市議会では、「選択的夫婦別姓の早期導入を求める意見書」を平成28年度に全会一致で可決、国に意見書が提出されています。

(記・石島よう子市議)

(にいざ民報 2019年11月24日 No.1836)