深刻 女性の低年金 男女の賃金格差是正急げ

現在、女性の正社員の賃金水準は男性の7割で、女性の約6割が低賃金の非正規で働いています。依然として男女間には大きな賃金格差があります。

この現役の労働者に残る男女の賃金格差が、女性に低年金の人が多い問題や男女の年金格差の背景にあります。

安倍政権は、年金の水準を「マクロ経済スライド」という仕組みで削減し続けています。厚生労働省が8月に公表した試算(公的年金財政検証)では、削減は報酬比例部分よりも、いまでも低水準の基礎年金(定額)部分で大きく、今後27〜28年間で、3割近く減らし続けるとの見通しを示しました。

そのため、基礎年金だけしか受給できない人や、報酬比例部分がわずかで基礎年金部分の割合が大きい人ほど削減幅が大きくなります。

低年金の人に、より厳しい年金水準の削減を強いる「マクロ経済スライド」は廃止して、「減らない年金」を実現すること、低年金の人に上乗せの現金給付を行うことは、女性の低年金問題を解決するための第一歩です。

そのうえで、どんな人にも最低限の年金を保障する最低保障年金制度の実現ヘと改革を進めることが必要です。

あわせて、最低賃金の抜本的な引き上げ、非正規と正社員の均等待遇の実現、非正規の正社員化などで女性労働者の賃金水準の底上げと雇用の安定化を図ることが求められます。

中小企業に対し、賃上げを支援する予算を大幅に増額して賃上げを促し、年金保険料の事業主負担分を減免するなどして、厚生年金保険への非正規の加入を進めることも重要な課題です。

65歳以上の老齢年金受給者 現役時代の主な経歴別割合と平均年金額

(しんぶん赤旗より)

(にいざ民報 2019年12月1日 No.1837)