国保税値上げはきわめて異常

今回の国民健康保険税の値上げは極めて異常です。

異常性の第1は、黒字会計なのに値上げをすることです。平成29年度で2億2734万円も基金があり、お金が残っています。平成30年度に約1億9000万円値上げしますが、それを使わずに値上げ額以上の2億1000万円をさらに基金に積み立てます。「医療費などが多くかかり赤字になって値上げする」というのが普通の値上げパターンですが、今回は黒字なのに値上げし、その値上げ分をそっくり預金するという異常なものです。

第2は7年連続で値上げするということです。一人当たり平均3万円値上げという大規模な値上げも今までにないことです。市民のくらしを破壊する値上げは許せません。

第3は一般会計繰入金をゼロにするための値上げということです。国民健康保険制度がスタートした時は、支出総額の50%を国が負担していました。それが減らされ続け現在は20%となっています。国が減らした分を国保税の値上げ(市民の負担)と一般会計繰入金(市の負担)で埋め合わせてきました。国の負担金を元に戻すことをせずに一般会計繰入金をゼロにすることなど認められません。

年金生活の方から「私たちの値上げ額はどれくらいか」との質問がありましたので、具体例をあげ、説明します。

夫68歳 厚生年金月額15万円、妻66歳 国民年金5万円、固定資産税6万円の世帯の場合は、平成29年度の国保税は6万5100円(所得は60万円、均等割と平等割は5割軽減)です。平成36年度の国保税は8万3700円で1万8600円の値上げとなります。

夫72歳 厚生年金月額18万円、妻69歳 厚生年金12万円、固定資産税6万円の場合は、平成29年度国保税は13万8100円ですが、平成36年度は、20万300円となり6万2200円の値上げとなります。

(にいざ民報 2018年2月25日 No.1754)