先進的な水害対策を学ぶ 建設常任委員会行政視察 西宮市・東大阪市

新座市議会建設常任委員会は、10月8日兵庫県西宮市、9日大阪府東大阪市を視察しました。調査項目は両市とも「水害を防ぐための雨水排水対策」です。

新座市では近年の集中豪雨で、市内各地で床上浸水、床下浸水などの被害が毎年のように発生しています。建設常任委員会では、水害を防ぐための諸工事を強化するとともに、下水道課だけでなく、全庁あげて取り組むよう執行部に求めてきました。そこで、先進的な取り組みを学ぶため、西宮市と東大阪市を視察しました。

西宮市は平成元年9月14日の集中豪雨で床上浸水405戸、床下浸水1万200戸の大被害を受けました。また、平成11年9月17日の集中豪雨でも床上205戸、床下616戸の被害を受けました。1時間あたり70mmの集中豪雨だったので、今後はこうした豪雨に対する対策を始めました。

強い雨を「流す」ためには能力の増強が必要ですが、莫大な事業費や河川への放流量に制限があることなど多くの課題があります。そこで、従来の「流す」だけでなく、「貯留(ためる)」「浸透(しみこませる)」という流出抑制の考え方を導入し、既存の下水道事業を活かしながら整備水準をあげてきたそうです。

貯留する施設として、
①学校の校庭や公園などに一時的に水を貯める施設を設置する(深さ10mm〜20cm)。63の小中学校中55校で実施。
②公園や道路、学校校庭の地下に貯留施設を建設する。この2つの方法で流出抑制施設を整備しています。また、平成25年度から「雨水対策プロジェクト」を立ち上げ、全庁的に取り組んでいると説明してくれました。

東大阪市は、すり鉢状の地形で、天井川となり雨水排水に、地形上の困難さをもっています。

近年、1時間降雨量が50ミリを超える雨が増加し、施設規模を上回る豪雨が増加し、施設整備に追われていると説明されました。

東大阪市も流出抑制(貯める)施設の整備に力を入れていました。校庭や公園での貯留、地下での貯留施設の整備を進めています。花園ラグビー場もある花園公園は多目的遊水地として整備され約32万トンを貯留できます。大阪府が中心となって寝屋川流域の11市で広域で雨水対策が進められていました。

新座市でも石神小、西堀小などで校庭での雨水貯留が行われていますが、もっと多くの学校でも必要です。学ぶことの多い視察でした。

(記・笠原進市議)

(にいざ民報 2019年10月27日 No.1832)