新座市貸付奨学金制度の改善を 市独自の給付制奨学金制度の創設を

辻みき市議

新座市の奨学金を借りて大学に進学し、卒業して返済が始まり2年目という市民の方から相談がありました。新座市の奨学金制度は他市と比べて使いずらい制度になっています。 辻みき市議は一般質問で改善を求めました。

【返済期間の延長について】
貸付奨学金制度がある自治体の多くは返済期間が貸付相当期間の2倍、10年以内等返済期間を長くして無理のない返済にしています。新座市は「貸付相当期間」で、例えば4年間借りたら4年で返すことになります。大学を卒業しても正社員になれるのは半分で、不安定な雇用が増えています。返済期間を延長することを提案しました。

教育長は、「返済期間については短いかなと思っている。他市の状況もみて検討したい」と答弁しました。

【返済方法について】
現在は納付書で納付するか、市役所に納めに行かないといけません。口座振替も可能にすること、まとめて払えることや、返済が困難になった場合の相談窓口の周知を求めました。

教育長は、「申請案内はできるだけシンプルに分かりやすいことを大事に作成しているが、説明が足りない部分については調査して改善を進めたい」と答弁しました。

【保証人について】
新座市では、貸付を受ける際に保証人2人(1人は申請者の保護者、他にもう1人)必要です。収入が年金のみの方や住民税が非課税の方は認められません。辻市議は再質問で、奨学金を必要としている人は、周りからの支援が得られにくいこと等を考えると、保証人は高いハードルになっていることが想定される。他市のように保証人は一人という条件にすることを要望しました。

【市独自の給付制奨学金の創設を】
また、辻市議は、給付制の奨学金制度の創設を求めました。コロナ禍で貧困が広がっています。国の修学支援金制度など充実してきていますが、対象が限られており不十分です。

高校生のお子さんがいる方の話を紹介しました。高校で行われた奨学金のガイダンス。「『奨学金は本人が借金するということ。必ず本人が申し込むこと。借金に苦しんで自殺する人もいるので、お金を借りることは簡単なことではない事をしっかり理解させることが大事だ』って話していた。確かに簡単に考えちゃいけないけど、この段階で借金は背負わせたくない。悲しくなったよ。教育にお金のかからない、教育格差のない時代がくるといいね」。また別の方は「学費が払えなくても誰でも子どもを産んでいいはずなのに、日本は子どもの学費は親が責任を持たなくちゃってみんな思っているし、周りからもそう言われる。」こういう声に政治がどうこたえるのかが問われているのではないかと求めました。

教育長は、「給付型の奨学金制度は国レベル、全国レベルで進めるべき。市独自で創設する考えはない」。と述べました。

(にいざ民報 2020年6月28日 No.1860)