削減された福祉制度の一部を復活せよ 新年度予算の組み替え動議を共産党が提案

3月市議会で市長から提案されている福祉サービスを大幅にカットされた令和3年度当初予算の採決前に、日本共産党が予算の組み替え動議を提案しました。提案の中身は、子ども医療費などの福祉サービスカットの一部を元に戻すことを求めるものです。財源は、令和2年度に約29億円積み上げた財政調整基金の一部を取り崩して確保するとしています。提案は、小野大輔市議が行いました。提案内容は以下のとおりです。

新座市一般会計予算の組み替えを求める動議

新座市は令和2年10月1日に財政非常事態宣言を行いました。宣言の下、新型コロナウイルス禍で市税収入等などの大幅な減収が予測されるとして、市民サービスなど多くの事業を見直しました。しかし、令和2年度の市税は過去最高になる見通しで、地方消費税交付金も前年度を超える見込みです。財政調整基金も約29億円となりました。

新型コロナウイルスで大変なのは市民の方です。今、大事なことは、福祉サービスなどを削減するのではなく、継続し、新型コロナウイルス禍から市民の命とくらしを守ることです。

財源は財政調整基金29億円の一部を取り崩して

財政調整基金を取り崩して、削減された福祉サービス制度などを元に戻すべきです。よって、市民のいのちとくらしをまもるために、予算の組み替えを要求するものです。

予算の組み替えは、下表に示しました。


令和3年度予算の組み替え案

1、財源の確保
財政調整基金からの繰入れ 3億2141万円

2、歳出の増額
(1)18歳までの医療費無料化(高校生の通院費を無料化)5800万円
(2)高齢者のいきいき広場の実施 1500万円
(3)障がい者福祉手当の復活 7800万円
(4)市民相談の実施 490万円
(5)集団資源回収奨励金の実施 2200万円
(6)林間学校助成金(小学校・中学校)900万円
(7)障がい者通所施設補助の見直し前への復活 500万円
(8)ジュニアアスポートの実施 220万円
(9)道路維持補修工事の実施 5900万円
(10)障がい者とひとり親家庭で非課税世帯の入院時食事代補助を実施 800万円
(11)障がい者の交通費助成の見直し前への復活 1180万円
(12)敬老祝い金を見直し前に復活 760万円
(13)重度要介護高齢者手当は見直し前に復活 1500万円
(14)雨水事業の先送りを中止して、一部事業を実施 200万円(公共下水道事業会計予算への繰出金の増加)
(15)町内会・民生委員等への補助は見直し前に復活 1500万円
(16)合葬墓設計委託を実施 419万円
(17)福祉の里体育館夜間利用の復活 250万円
(18)職員採用 222万円

歳出合計 3億2141万円


動議への賛成討論に笠原進議員が立ち、「令和元年度の財政力指数は、792市中新座市は110位だ。上位7分の1に入っている。35人クラスで言えば5番目だ。市税収入は市制施行50年で過去最高額となっている。非常事態宣言は撤回し、削減された福祉を元に戻すべきだ」と訴えました。

公明党の鈴木秀一議員は動議に反対討論に立ちました。鈴木議員は、「削減は心苦しい。新座市の財政は大変になっている。市民からの批判はあるかもしれないが、30年、40年先のことを見据えて良い政策をするためには削減はやむを得ない。」と討論しました。

市税収入の推移(億円)

市民と語る会が賛成討論 福祉戻せの声が届いている

市民と語る会の高邑朋矢議員も動議に賛成討論を行いました。高邑議員は「私は一般会計に反対をしてきた。大型公共事業への操出金は止めるべきだという事をずっと訴えてきた。無理な予算執行に異論をあげていたならわかるが、賛成してきて、福祉を削減するのは納得できない。動議にある多くの事項は市民から戻してほしいという声が私のところに届いている。動議には賛成だ。」と討論しました。予算の組み替え動議には共産党と市民と語る会が賛成し、公明党、政和会、由臨会が反対し否決されました。

令和3年度予算は、公明党、政和会、由臨会の賛成で可決しました。日本共産党と市民と語る会は反対しました。

3月議会の採決の結果

(にいざ民報 2021年4月4日 No.1897)