財政非常事態宣言を撤回し、当たり前のことを実施する市政に戻せ

笠原すすむ市議
笠原すすむ市議

笠原進市議は一般質問で、「昨年10月に発出された財政非常事態宣言の誤りは明白となった。財政非常事態宣言を撤回して、当たり前のことを実施する市政に戻すべき」と提案しました。

昨年8月27日に「コロナ禍で税収は激減し令和3年度の予算編成ができなくなる。歳入が歳出に比べ25億円も足りない。」とする財政見通しが市財政当局から発表されました。これに続き10月1日に財政非常事態宣言が発出され、12月議会・3月議会で数多くの市民サービスが廃止、削減されました。

令和2年度の市税収入は過去最高

しかし、約10か月が経過した現時点では、令和2年度の市税収入は過去最高であったこと、国からの交付金などが予算より6億円以上も増収になったことなどが共産党市議団の追及で明白となり、財政当局が市議会で「見通しを間違えました」と認めざるを得ない事態となっています。

笠原進市議は、「令和2年度の市税収入は過去最高となり、財政非常事態宣言の誤りは明白となっているのに、財政非常事態宣言下にあることを理由にして、①市民相談をやめる。②国庫補助がない道路関連工事を全て中止する。③雨水対策工事を中止する。④畑中公民館体育館のLED工事を中止するなど、異常事態と言える状態が続いている。こういった事業は直ちに実施して、当たり前のことを実施する市政に戻すべきだ。そのためにも財政非常事態宣言は撤回すべき。」と主張しました。

並木市長は「平成30年度に財政健全化方針を策定し、事業の見直しを推進してきたが十分に進まない中、追い打ちをかけるように新型コロナの影響で大幅な減収が見込まれたため、昨年10月1日に財政非常事態宣言を発出した。財政非常事態宣言に基づく事務事業の見直しを行わなければ10億円を越える財政不足が生じ、令和3年度の予算が組めなかった状態だ。現在、3度目の緊急事態宣言が発出されておりまして、国内経済の回復が不透明な状況です。現時点での財政の回復は難しいと思います。財政非常事態宣言は撤回できません。6つの視点に基づいて事務事業の見直しを行わせていただいていますので、少額な削減額を積み重ねて財政調整基金の積み増しを図っています。道路や雨水対策等の安全対策は、国庫補助や市債の活用などで早急に検討していきたいと思います。また、今後小中学校校舎の長寿命化工事なども必ず実施していかなければなりませんので、まずは財政調整基金に可能な限り積み増して、これらの事業を推進して行くことを図っていきたいと思います。」と答弁しました。

(にいざ民報 2021年7月4日 No.1908)