令和2年度市税収入は過去最高 財政非常事態宣言は撤回せよ

新座市議会第3回定例会(8月27日〜9月27日)で、令和2年度一般会計決算が報告されました。市税の納入済み額は約249億円で前年度より4億円も多く、過去最高額となりました。

並木市長は「コロナ禍で市税等が大幅に減る見込み」として、昨年10月1日に財政非常事態宣言を発出し、福祉などの市民サービスを減らしました。ところが税収は減らず令和2年度決算は22億509万円もの黒字となりました。市長の財政見通しの間違いがはっきりしました。しかも、共産党市議の要求で提出された新資料によれば、昨年4月から8月までに納税された市税は約120億円で一昨年の同時期の納税額約118億円に比べ約2億円もすでに多く納税されていました。

「前年度より多く市税が納税されていることを承知の上で財政非常事態宣言を出したのか」との共産党市議の質問に、並木市長は「承知していた」と答えました。

福祉等の市民サービスを減らすために意図的に「財政が大変」との宣伝をしたのではないかとの疑いがいっそう強くなりました。

令和3年度も40億円以上も収入増

令和3年度一般会計補正予算(第6号)が市長から提案されました。収入が当初予算に比べ40億5254万円も増額となりました。地方交付税や繰越金が大きく増額となったことが要因ですが、「財政が大変」と見せるために当初予算の収入を前年度より約24億円も少なく見込んだことが影響しています。

共産党議員団が予算修正の動議を提出
福祉などの市民サービスを復活させよう

支出の主なものは、①財政調整基金への積み立て36億6859万円、②北野の森保育園用地取得1億439万円、③新型コロナウイルスワクチン接種事業8546万円などです。

共産党議員団は、令和3年度一般会計補正予算(第6号)に対して、「収入増約40億円のうち90%以上も財政調整基金に積み立てるのではなく、一部を使って市民サービスを復活させるべき」と、予算修正(組み替え動議)を提案しました。提案者は小野大輔市議です。提案内容は下表の通りです。約2億4千万円で18事業を復活させることができます。市民と語る会は賛成しましたが、公明党、政和会、由臨会の反対で否決されました。


令和3年度補正予算案に対する組み替え動議

財源の確保
財政調整基金の取り崩しなど合計2億4054万円
歳出の増額

  1. 18歳までの通院医療費無料化の復活
  2. 高齢者いきいき広場の実施
  3. 障がい者福祉手当の復活
  4. 市民相談の実施
  5. 集団資源回収奨励金の実施
  6. 林間学校助成金(中学校)の復活
  7. 障がい者通所施設補助を見直し前に復活
  8. ジュニアアスポートの実施
  9. 道路維持補修工事の実施
  10. 障がい者とひとり親家庭で非課税世帯の入院食事代補助を実施
  11. 障がい者の交通費助成を見直し前に復活
  12. 敬老祝い金を見直し前に復活
  13. 重度要介護高齢者手当を見直し前に復活
  14. 道場1丁目、栄1丁目の雨水対策事業の実施
  15. 町内会・民生委員等の補助を復活
  16. 合葬墓設計委託を実施
  17. 福祉の里体育館夜間利用の復活
  18. スズメバチなどの駆除の補助を復活

歳出合計2億4054万円


9月議会での各議員の態度は下表の通りです。

9月議会での各議員の態度

(にいざ民報 2021年11月7日 9月議会報告号)