介護が必要な家族の支援や家事を担うヤングケアラーヘの支援を

石島よう子市議
石島よう子市議

日本の家族構成が大きく変わり、核家族や共働き世帯、ひとり親家庭が大変増えて家族の力が弱くなっています。また働かざるを得ない状況の中で、家庭にかけられる時間やエネルギーが減っている家庭も増えています。こうした社会背景がある中で、例えば癌や難病、鬱などの精神疾患や障がいのある親や兄弟、祖父母のケアや家事を担っている子どもがいます。

埼玉県は2020年に全国初のケアラー支援条例を策定しました。石島議員は新座市のヤングケアラー支援の取組みと充実について提案しました。

「ヤングケアラーはケアラーとしての自覚がないまま将来の大切な時間をケアに費やしているため、子ども本来の生活が十分にできていないことが指摘されています。高崎市の、週2回無料でヘルパーを派遣する取り組み等を新座市でも実施する考えはないか」

教育長は「昨年、市内の中学生4172人に実態調査を行った結果を分析する中で、7%がヤングケアラーに相当することがわかりました。この結果は小中学校に情報提供し、教職員が児童・生徒の小さな変化やSOSを発見する目を持つことを第一にして現在進めています。家庭内のことで実態把握が難しく子どもたちのSOSも捉えにくい状況なので、スクールソーシャルワーカーの支援を得て各学校で対応しているところです。先進的な取組みを注視しながら対応を考えていきたい」と答弁しました。

石島議員は「既存の介護保険や障がい者の制度の家事援助で対象になるのは、要介護状態の高齢者や障がいのある当事者のものに限られています。障がい者のお子さんの生活を支援する育児支援も、子どもが高学年や中高生の場合に対象になるのかという問題が指摘されています。高崎市では、ヤングケアラーは福祉の公的制度のはざまにあり、支援が受けられないために子どもとしての権利が全うできない状況はなくそうと、ヘルパー制度を導入しました。埼玉県は今年度、協議会を立ち上げて、家事や子育て支援、学習支援の方策を探り、市町村への支援にも着手すると、新聞報道されました。連携して検討を進めていただきたい」とさらに質問しました。

学校教育部長は「市独自で平成27年度からスクールソーシャルワーカーを配置しています。子ども支援課や子ども家庭相談室、生活支援課とも連携を図りながら今ある資源を使ってどのように支援していくかというのは既にやっています。スクールソーシャルワーカーが扱う相談の中で、ヤングケアラーの疑いのある児童・生徒が9名いるのではないかということで、継続的に支援していますが、他市の取り組み等を参考に深めてまいりたいと思っています」と答弁しました。

(にいざ民報 2022年5月15日 No.1945)