新型コロナウイルスに感染して思う
2年半もの長期にわたり、安倍・菅・岸田と首相は三人目になったが未だに第7波の大波の中、国民と医療関係者の苦闘が続いている。
私は7月20日頃鼻水でPCR検査を受け陽性となった。
重症者・死者の数も増え医療崩壊を起こしているのに、いつでもどこでも誰もがPCR検査を受けられる医療体制の強化が実現せず、救急搬送困難事例により救われるであろう命が失われる事態は何も変わっていないのだ。7月下旬、大腸がんを患っていた男性がコロナに感染し、要請した救急車が30分後に到着し、約2時間、二人の隊員が「百件以上の病院に断られた」と言う。結果、翌朝訪問診療の医師が彼を看取り、わずか半日の命となった。
8・15厚労省の発表によると自宅療養者が154万人と過去最多に。この驚くべき数字は人ごとではなく「もし自分が感染したら」と考えてみたら怖くなる。
私は軽症で済んだが、10日間医療機関とは結び付かず、自宅で血液酸素飽和度と体温を計り、咳止めを飲み、うがいをするしかできなかった。どんなに注意しても感染したらどうするか頭の中でシミュレーションしておくことだ。埼玉県の緊急医療サポートセンター、朝霞保健所など行政と繋がるのも電話では難しい!
厚労省のコロナ感染者等情報把握システム(HER-SYS=ハーシス)にオンラインでアクセスして、ファーストドクターの電話で必要な薬を処方してもらい、薬局から宅配便で手に入れた。
保健師による健康観察で「今日の具合はどうですか?」と聞いてくれる、しかしこれも私のような老人対応で、本来スマホで行われている。幸い家族の力で窓口と繋がり完治後は『療養証明書』(県知事名による)の発行がスマホに届き、プリントアウトして加入している入院特約付生命保険会社への申請にたどり着いた。
タクシーを呼ぶのも、発熱外来の予約も、ワクチン接種も社会のシステムがIT(情報技術)端末を使わない人にはサービスの恩恵が届かないのだ。高齢者が行政サービスから「置き去り」にされないためにはどうするの?
皮肉にもこれが今回の最大の宿題になったとは。
【寄稿】麟子(東北二)
(にいざ民報 2022年9月18日 No.1961)