生みづらく育てにくい 図で見る日本の少子化 教育費 公立で800万円超

文部科学省の2021年度の「子供の学習費調査」によれば、子どもが小学校から高校を卒業するまでにかかる教育費は高校まですべて公立に通っても527万円、高校だけ私立だと688万円です。12年の調査と比べそれぞれ93万円、81万円の増です。

授業料が比較的安い国立大学でも入学金と4年間の授業料だけで242万〜291万円します。小学校から大学までの教育費の合計額は国立大学で800万円超、私立大学なら1千万円を優に超えます。これでは子どもは簡単に生めません。

小中学生の教育費は学習塾などの「学校外活動費」が7割を占めます。ただし学校で使う学用品や制服、通学費といった「学校教育費」や給食費の負担も大く、小学生で平均年10万5千円、中学生で同17万円です。

高校生は学校教育費が6割を占めます。公立高校の学校教育費は民主党政権が10年度から始めた授業料無償化(高等学校等就学支援金制度創設)で年間36万円から24万円へ下がったものの、自公政権の復活で増加に転じ、21年に再び30万円の大台を突破しました。私立高校は75万円です。

自公政権が14年に授業料無償化に所得制限を導入したことで公立高校生の2割、私立高校生の3割が制度の対象から外れたことや、2度の消費税増税による通学費や学用品費の値上げが影響しています。

小学校から高校の学習費総額の推移

【2023年3月20日 しんぶん赤旗より】

(にいざ民報 2023年3月26日 No.1985)