共産党が提案「18歳まで通院医療費無料化を」公明党・政和会・由臨会が反対し否決

子ども医療費18歳まで無料の条例提案

日本共産党新座市議団は、9月24日に「子ども医療費を入院・通院とも18歳まで無料とする条例改正案」を提出しました。9月27日の本会議で審議されました。

提出者の石島陽子市議は、「高校生の通院費が有料となったが、元のように無料に戻してほしいという市民の声が多く寄せられている。来年の4月から実施するために、議員提案をした」と説明しました。

条例提案への質問

島田久仁代市議(由臨会)の、「①高校生の通院費はいくらか。②提案に当たり市長と協議したのか」との質問に、石島陽子市議は「高校生の通院費は年によって違うが、通年ペースで約6000万円です。今議会の笠原市議の一般質問で、並木傑市長は、『今は実施する考えはない』と答えたので、今回は協議していません」と答えました。

条例提案の賛成討論

賛成討論で黒田実樹市議は子育て中の市民の声を紹介しました。「上の子は4年制の専門学校に通い、学費や交通費だけでも多くの金額がかかります。下の子は中学3年生で塾の費用も高く家計を圧迫しています。2人とも持病があり重症化したり、苦しい時間が長く続きます。病院で診てもらうことは、みんなと同じように高校生活を送るためにとても重要なことです」

そして、「私自身、上の子が高校2年の時に肺の病気にかかり、入院して手術、その後通院しました。入院分は無料で大変ありがたかったですが、保険外のアメニティやその他雑費など、多くお金がかかりました。下の子が今度高校生になりますが、私も子育て中の市民のひとりとして、経済的な負担の大きさを実感するとともに、一番の子育て支援につながる18歳までの医療費無料化の復活を願っています」と述べました。市民と語る会の高邑朋矢市議も賛成討論をしました。

条例提案の反対討論

反対討論は鈴木秀一市議(公明党)と野中弥生市議(公明党)がしました。鈴木市議は「自分は過去に一般質問で『高校性の通院費は無料にしてほしい』と提案した。同趣旨の陳情にも賛成したが、今回は反対する」と述べ、理由として次の5点をあげました。①他に障がい者の介護手当など、復活させたい事業がある。施策の優先順位は大切。②これは国がやるべきことだ。地域差があってはならない。③市財政は将来にわたり持続可能なものにしなければならない。インフラ整備が今後も必要だ。④高校生の入院医療費は無料となっている。⑤市長の提案で戻すべきものだ。

反対討論への反論

この反対討論を受けて、笠原進市議は次のような賛成討論をしました。「黙って反対する議員が多い中で、理由を述べて反対討論をした鈴木市議に敬意を表する。しかし、その反対理由には同意できない。市長の提案で戻すべきというが、市議の提案権を否定する議論だ。

日本の地方自治は二元主義で、市長も議員も市民の直接投票で選ばれている。議員の役割を小さくする意見で同意できない。高校生の通院費の無料化は、高齢者や障がい者の手当復活の後でないと賛成できないと言うが、私たちは削減された福祉の復活に優先順位をつける考えはない。

共産党は今まで、何度も議員提案を提出しているが、高校生の通院費の無料化や高齢者や障がい者の手当の復活などは全部で2億円で実現できる。財政調整基金が約60億円もあるので、ほんの一部を活用すれば全部復活できる。『子ども医療費の無料化は国がやるべき』と鈴木市議は言うが、自民公明の政府は全くやろうとしていない。公明党は与党なのだから、山口代表に『ぜひ実現してほしい』と言ってほしい」と述べました。

(にいざ民報 2023年10月8日 No.2009)