新座革新懇・半田滋さん講演会開催「平和は軍事力ではなく命がけの外交で実現する」

新座革新懇は、9月23日(月)13時半から新座市民会館にて半田滋さん(防衛ジャーナリスト・獨協大学非常勤講師)講演会を開催しました。「敵基地攻撃と日米一体化・防衛費倍増は国民負担に」と題して熱く語リました。

米国の戦争に全面協力する道筋をつくった

歴代自民党政権は、米国の戦争に全面協力する道筋を戦争4法を制定することでつくられた点を強調。

第1は特定秘密保護法を制定し、第2は安全保障関連法で海外における武力行使を意味する集団的自衛権を解禁。「密接な関係にある他国」への攻撃を「存立危機事態」とみなし、海外で武力行使できるというのです。第3に「共謀罪」法3法を安倍政権が制定しました。第4に「土地利用規制法」を菅政権で制定、監視を強めました。

「先制攻撃」を可能に

岸田政権になって、自民党が一貫して主張していた「専守防衛」を切り崩した2022年12月に安全保障関連法3文書を改定し、「敵基地攻撃能力の保有」を閣議決定、「反撃能力」と言いながら「先制攻撃」を可能にしました。この裏付けとして装備武器を準備するために「防衛費はGDP比2%」を打ち出し倍増、5年間の防衛費は43兆円、不足する財源は増税でまかなうか福祉財源が狙われています。

岸田首相はアメリカに国賓待遇で招かれ、「米国とともにある」と演説し、『2プラス2』で日本の反撃能力について情報収集を含め、日米共同で能力をより効果的に発揮する協力体制を構築すると約束を交わしています。「アメリカの統合防空ミサイル防衛(IAMD)に参加し、日米のシステムを連結することから日本がアメリカと融合して指示通り『トマホーク』で敵基地攻撃を行う」など、総合的な話を聞くことができました。

軍事費がどうなるのか?台湾有事に巻き込まれる日本

現在奄美、宮古、石垣、沖縄本島に地対艦誘導弾ミサイルを配備、島しょ防衛用高速滑空弾まで配備しています。中国が台湾に武力で侵攻しても、(中国の内政問題として)日本には侵攻しないし、日本も中国の内政問題には攻撃しないが、遠いアメリカが台湾問題を有事ととらえて、日本にある基地から攻撃を始めると「存立危機事態の発令」による日本の参戦となる。

アメリカには攻撃がおよばないが沖縄、島しょの島々が非常に危ない状態になることが、良く分かりました。

講演では「日米一体化」の危険性、軍拡により国民の負担が際限なく増えていく問題、台湾有事の戦場は日本と台湾であり、アメリカと中国ではない。それなのに「敵基地攻撃能力」を持ち、対米支援をするのは自滅を選ぶのに等しいということ。

そして最後に、「平和は軍事力ではなく、命がけの外交によってはじめて実現する」「自民党は行き詰まった。野党が結集して選挙に立ち向かうべきだ」との結論でした。50人の参加でフロアからの質問や発言も寄せられ、活発な講演会でした。

講演する半田滋さん

(記・革新墾会長・小鹿)

【講師プロフィール】
半田滋さん 1955年生まれ。防衛ジャーナリスト。元東京新聞論説兼編集委員。獨協大学非常勤講師。法政大学兼任講師。海上保安庁政策アドバイザー。92年より防衛庁(省)取材を担当。2007年、東京新聞・中日新聞連載の「新防人考」で第13回平和・協同ジャーナリスト基金賞(大賞)を受賞。

(にいざ民報 2024年9月29日 No。2049)