訪問介護報酬の引き下げ撤回、学費・奨学金返済の負担軽減、県水道料金値上げ撤回の意見書 日本共産党が提案

新座市議会9月議会の最終日の9月26日に政府や県に意見書を提出する議員提出議案の採決が行われました。日本共産党が提案したのは、次の3本です。

①訪問介護の基本報酬引下げの撤回を求める意見書(提案者は小野大輔市議)
②高等教育の学費軽減及び奨学金返済の負担軽減対策を求める意見書(提案者は石島陽子市議)
③埼玉県水道料金の引上げ撤回を求める意見書(提案者は小野由美子市議)

①の討論に石島陽子市議、②の討論に笠原進市議、③の討論に黒田実樹市議が立ちました。市民と語る会の高邑朋矢市議も賛成討論を行いました。

3本の意見書を討論せずに全て否決

しかし未来をつくる会、公明党、自民・維新の会は討論もせずに反対し、3本とも否決されました。

日本共産党が提案した①と②の意見書は次の通りです。


訪問介護の基本報酬引下げの撤回を求める意見書

令和6年度介護報酬は、全体で1・59%引き上げられることとなりました。

しかし、訪問介護の基本報酬については、食事介助、おむつ交換などの身体介護も、掃除、買物、調理などの生活援助も、2%から3%程度引き下げられました。
訪問介護事業者は、ただでさえ深刻な人手不足によって倒産や廃業が相次ぎ、追い詰められています。事業者や家族介護者からは、これではもう成り立たない、
利用者に日々寄り添い重度化を防ぐ訪問介護員の重要性が分かっていないなどといった強い抗議の声が上がっています。

訪問介護事業が成り立たなければ、高齢者が住み慣れた地域で安心して過ごすことは不可能になります。在宅介護の終わりの始まり、介護保険制度崩壊の第一歩という声が上がるのも当然です。

よって、政府に対し、令和6年度介護報酬改定における訪問介護の基本報酬の引下げを直ちに撤回するよう強く要請します。


高等教育の学費軽減及び奨学金返済の負担軽減対策を求める意見書

大学の初年度納入金(2023年度)は国立大学で81万7800円、私立大学では平均147万7339円にもなります。学生や保護者の負担能力を超えた高い学費は、アルバイトに追われる学生生活をもたらし、学生にとっても、大学にとっても、卒業生を受け入れる企業や社会にとっても、解決が強く求められる課題です。

また、多くの学生が利用している奨学金は、貸与型が中心のため、学生の3人に1人が平均300万円の借金を背負って社会に出ています。その度に総額は10兆円近くにもなります。若い世代にとって奨学金返済の経済的負担は大変に重く、結婚や育児といった生活設計に悪影響を与えています。

日本も批准している国際人権規約は、「高等教育は、・・・無償教育の斬新的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること」としています。その一方、日本の高等教育への公的支出(GDP比)は、OECD加盟国平均の半分以下と最低レベルを続けています。このことが学費の高騰や奨学金貸与額の増加につながっています。

学費を値下げして無償化へ進むことは世界標準の教育政策であり、日本政府の国民と国際社会への公約でもあります。よって、次の対策をとるよう求めます。

  1. 国の助成を増やし高等教育(大学、短期大学、専門学校)の学費を半額に引き下げること。
  2. 日本特有の制度であり、実際に入学しなくても返還されない入学金を廃止すること。
  3. 給付型奨学金を中心とした奨学金制度に改善するとともに、支給対象と支給額の拡大を図ること。
  4. 独立行政法人日本学生支援機構の貸与型奨学金の返還を、国の拠出によって半分程度に減額すること。

討論せずに全て否決

(にいざ民報 2024年10月6日 No.2050)