公共事業の現場で働く労働者の権利を守る公契約条例の制定を

黒田みき議員
黒田みき議員

公契約条例とは、公共事業の現場で働く全ての労働者に対して、最低基準となる労働条件を保証し、自治体、受注者の責任等を契約事項に加えることを定めた条例です。2023年7月で10県を含む全国80以上の自治体で制定が進んでいます。国土交通省は公共工事設計労務単価を昨年より5・9%引き上げ、全職種の平均値は12年連続で値上げとなりました。物価高騰が続き、生活が厳しくなる中、公契約事業に携わる労働者の賃金の引上げにつながる公契約条例の必要性が高まっています。

黒田みき市議は、9月議会一般質問で公契約条例の制定を求めました。

市長は、「平成22年から平成27年頃にかけて、国分寺市や草加市などに視察を行い、調査してきた。本市としては、最低賃金法などの法令との関係で課題が多いと捉え、国全体の問題として検討すべきと認識している。現時点において公契約条例を制定する考えはない。平成27年から一定額以上の契約案件を対象に労働環境及び労働賃金の調査を実施しており、労働者の労働環境の把握に努めていく。また、近年は人手不足や物価高騰を背景に、国や県から市町村に対し、ダンピング対策や労働条件改善のための発注適正化に関する様々な取組要請が来るようになっているので国、県の動向を注視しながら、適時に発注の適正化による対応を図っていきたいと考えている」と述べました。

副市長は「調査では70%ぐらいを目安にそれを下回るものについては事業者に聞き取りをしている。全体を見ると、大体80%〜100%ぐらいにはほぼ収まっている」と述べました。

黒田市議は、「設計労務単価の70%が目安になっているということだが、その根拠は何か」と再質問しました。

副市長は「非常にその辺は難しい話で、公契約条例を制定している自治体に確認したところでも80%から90%で差がそれぞれあった。根拠を確認しても教えてもらえないような状況もあり、市としても公契約条例が制定しにくいという部分で、根拠を自治体で決めるのは非常に難しい状況がある。おおむね7割ぐらいというところで見れば、一番低いところの賃金はそこで拾えるのではないかというような想定で決めたのですが、はっきりした根拠があってということではなく、目安として決めているという状況ですので、非常に賃金の決め方は難しいということでご理解いただきたい」と述べました。

(にいざ民報 2024年10月6日 No.2050)