建設常任委員会行政視察 大府市 基幹水路耐震化・立地適正化計画 江南市 デマンド型タクシー「いこまいCAR」
建設常任委員会は、10月9・10の日程で行政視察を行いました。
大府市 基幹管路の耐震化について
大府市は人口約9万3千人の都市です。南海トラフ地震が懸念されている地域で、主要な配水池の耐震化は平成30年度に完了しています。管路は断水リスクの大きい管路や避難所等への管路の耐震化を平成23年度から着手。耐震化に必要な資金の確保策として補助金の活用、一般からの繰り入れ金、水道料金の引き上げを行いました。耐震化の必要性について、水道利用者への理解促進のために産業文化まつりに上下水道展を出店し、耐震化マップの掲示や耐震管モデルの見学を行ったりボトルウォーターや水源地バスツアー等も行い水道に親しみを持ってもらう努力をされているのが印象的でした。
大府市 立地適正化計画・地域公共交通計画
令和22年度目標年次、市全域を対象区域に『いつまでも住み続けたいサスティナブル健康都市おおぶ』を将来都市像として、立地適正化計画を策定しました。人口は当面増加傾向にあり、居住誘導区域の設定について市街化区域を基本としています。
また、地域公共交通計画では、市内循環バスの利用促進のためのダイヤ見直しや民間路線バス事業者やタクシー事業者、近隣自治体との連携と合わせて、新たな移動手段確保の取り組みが検討課題で、新座市と同様の課題があると感じました。これから市が取り組む両計画の策定のイメージができて有意義な視察でした。
江南市 いこまいCAR(予約便)
江南市は愛知県北部に位置し人口は9万8千人です。市民の足である路線バスは利用客の減少に伴い、平成9年以降3路線が撤退。いこまいCAR(予約便)は、既存の鉄道や路線バス等を利用することができず、福祉施策でも該当しないため、思うように外出や移動ができない方が気軽に利用できる公共交通サービスとして、平成21年10月から運行しています。ダイヤなし、固定ルートなしのデマンド型タクシーです。
あらかじめ市に利用者登録をして、実際に利用する前日までに予約をすることで市内に限り、玄関先から目的地まで通常のタクシーをいこまいCARの利用料金(タクシー運賃の2分の1)で利用できます。
いこまいCARは令和5年、登録者数8881人、利用者数2455人、市負担額は約3500万円となっています。市内の公共交通は概ね充足していますが、既存の公共交通サービスとの連携、財政負担についての課題もあります。予約した目的地へ行く途中に10分以内であれば他の場所(軽微な買い物など)にも立ち寄れるといった配慮がされていました。
【黒田実樹市議・記】
(にいざ民報 2024年11月10日 No.2054)