補聴器購入費補助制度の創設を

黒田みき議員
黒田みき議員

全国保険医団体連合会の調査によると、2024年9月現在で361自治体で補聴器購入費補助制度を実施しています。高齢者の難聴は社会的孤立や認知症リスクがあり、早めの受診や補聴器使用が重要であることは、社会的に認知されてきています。

また市内の50代の方は突発性難聴(両耳で65デシベル)と診断されましたが、障害福祉制度による自己負担1割の対象(両耳で70デシベル以上)からは外れるため、数十万円におよぶ補聴器の負担が家計を圧迫しています。黒田みき市議は、市議会一般質問で補聴器購入費補助制度の創設を求めました。

市長は「18歳未満の軽度中等度の難聴児については県から補助が出ている。65歳以上の高齢者を対象とする自治体は複数あるが18歳以上の難聴者を助成する自治体は鴻巣市のみで、現時点で独自の助成事業として実施する考えはない」と答弁しました。

黒田市議は「介護保険者努力支援交付金のなかで2025年度から認知症総合支援のひとつに難聴高齢者の早期発見早期介入の取り組みの指標評価が入る。難聴高齢者に対する取り組みとして補聴器の購入費助成を考えられないか」と再質問。いきいき健康部長は「現在もその交付金は介護予防事業に活用している。補聴器の助成に使うのは難しい」と述べました。

黒田市議は「戸田市では市民団体が補聴器購入費助成を求める署名を市長に提出し、2024年度から補聴器購入費助成を実施している。新座市でも市民団体から同様の要請書2800筆の署名を添えて提出されているが、市民の声をどのように受け止めているのか」と聞きました。

いきいき健康部長は「市民の方から要望が多いということも認識しているし、議員からも議会で数回要望をいただいているので要望が多いことは認識している」と述べました。

黒田市議は「第10期高齢者福祉計画、介護保険事業計画に補聴器利用促進を盛り込む検討はできないか。また、アンケート調査項目に聴こえや補聴器の利用について問う項目を作れないか」と再質問。いきいき健康部長は「聞こえと認知症の関係についても状況を把握して、計画に盛り込めるものは盛り込んでいきたい、アンケートは市独自の項目として追加できるように検討したい」と述べました。

黒田市議は「18歳以上65歳未満の方について、情報アクセシビリティコミュニケーションを推進する立場で、障がい者分野で補聴器の補助を検討すべきではないか」と質問。総合福祉部長は「市としては難聴児と同様に県補助で枠を拡大して実施してほしいと考えている。鴻巣市の実績でも令和5年度は12件でそう伸びていない。今は市独自事業としてやる考えはない」。

黒田市議は「多い少ないではなく必要性で考えてほしい。補聴器利用促進についての考えは」と質問。総合福祉部長は「難聴を感じたら早めの受診をするよう周知したい。やりたいことを何でもできる状況ではないので、需要の多いところから手を付けていくというのが仕事の向き合い方と考えている」と述べました。

(にいざ民報 2025年4月6日 No.2072)