公共施設「再配置」の名で進む縮小計画 ―学校・保育室・地域施設が次々と対象に

新座市が進めている「公共施設再配置計画」は、老朽化や人口減少を理由に、市内の公共施設を集約・廃止・統合していく計画です。市は「施設の見直し」と説明していますが、実際には市民生活に身近な施設が削減される可能性が高く、批判が市民や審議会の委員からも出ています。

公共施設

老朽化と人口減少を口実に

「整理」へ市は令和8年度(2026年度)に「公共施設再配置計画」を策定し、8月頃の公表を目指しています。これまでの審議会では、人口の見通しや施設の維持管理費などをもとに、既存施設を「現状維持」「維持管理」「長寿命化」「再編・統合」「廃止」などに分類し、方針案の検討が進められています。しかし審議会からは、「『長寿命化』という言葉がわかりにくい」「『現状維持』と『維持管理』の違いが不明確」といった基本的な資料への指摘だけでなく、「一部地域に集約や廃止が集中している」といった懸念の声も出されています。つまり、市の計画が「わかりにくく、市民目線に立っていない」という問題が、初期段階から明らかになっています。

学校・放課後保育も対象へ

特に大きな影響が予想されるのが小中学校と放課後児童保育室です。市は教育委員会内に検討会を設置し、児童・生徒数の減少を理由に「学校の適正規模・適正配置」を検討中です。これは、学校の統廃合や学区再編につながる可能性が極めて高いと見られています。また、学校と密接な関係にある放課後児童保育室も「同様に検討中」としています。

公共施設の老朽化や人口減少への対応は必要ですが、今回の再配置計画はその名を借りて、市民の暮らしを支える施設の削減へと踏み込む内容となっています。特に、学校や児童保育室といった子育て世代に直結する分野まで「整理・統合」の対象に含めるのは、市の将来に逆行するものです。また、公共施設は単なる建物ではなく、地域コミュニティや住民のつながり、災害時の避難拠点など、さまざまな役割を担っています。数を減らせば「効率化」は進んでも、「安心・安全な暮らし」は後退しかねません。

市民の声が問われるとき

今後、市は市民説明会や意見募集を予定しています。「市民説明会は回数も多く、聞く時間帯も考えて実施します。地域ごとに必要と考えています。市民の意見はしっかり聴きます」と市議会全員協議会で担当課長は答えています。廃止が予定されている施設が多くあります。現状では、新座市の公共施設は埼玉県内では少ない法です。よく考え、市民の声を上げましょう。


「公共施設再配置計画」の今後のスケジュール ――2026年に計画決定か?

2025年10月 庁内検討委員会
2025年11月 審議会で検討(学校方針を踏まえて再検討)
2026年1~2月 素案をまとめ、市議会全員協議会で説明
2026年4月 市民向け説明会・パブリックコメント募集


想定される事業一覧

(にいざ民報 2025年10月12日 No.2096)