「高市政権の改憲の狙い」新座革新懇学習会 埼玉県平和委員会・二橋氏が講演
6月13日、新座革新懇主催の学習会で埼玉県平和委員会の二橋元長氏による「高市政権の改憲の狙い」をテーマとした講演が行われました。講演では、自民党が進める憲法改正の動きや軍備増強の現状について、多くの資料をもとに問題提起がされました。
自民党はなぜ改憲を目指すのか
二橋氏は、「自民党は結党当初から憲法改正を党是として掲げてきた」と指摘しました。1955年の結党時の党綱領にも「現行憲法の自主的改正」が明記されており、改憲は一時的な政策ではなく、自民党の根幹に関わる課題として位置付けられてきたと説明しました。

講演する二橋元長氏
現在、自民党が掲げている改憲項目は、
・ 自衛隊の明記
・ 緊急事態条項の創設
・ 参議院の合区解消
・ 教育の充実
の4項目です。
しかし二橋氏は、「これらは入口に過ぎず、最終目標はさらに大規模な憲法改正にある」との見方を示しました。
自衛隊明記で何が変わるのか
講演では、自衛隊を憲法に明記することの意味について詳しく解説されました。
二橋氏は、自衛隊が憲法に書かれていない現在は、憲法9条が一定の歯止めとして機能していると指摘します。一方で憲法に自衛隊が明記されれば、「憲法に書いてあるのだから、海外派兵もできる、軍備増強もできる」という方向へ解釈が広がる可能性があると警鐘を鳴らしました。また、2015年の安保法制以降、自衛隊と米軍の一体化が進み、共同作戦の体制整備が進められていることも紹介されました。
軍事費増額の先にあるもの
日本の軍事費は近年大幅に増額されています。政府は防衛費をGDP比2%程度まで引き上げる方針を打ち出していますが、二橋氏は、「物価高騰や社会保障の課題が山積する中で、本当に優先すべき課題なのか」と疑問を投げかけました。
また、日本はエネルギーや食料の多くを海外に依存しており、実際に戦争になれば国民生活への影響は極めて大きいと指摘しました。
緊急事態条項への懸念
講演で特に強調されたのが緊急事態条項です。自民党案では、自然災害や感染症などを理由に緊急事態を宣言できる仕組みが提案されています。しかし二橋氏は、「災害対応や感染症対策は現行法でも対応可能である」とした上で、「問題は『その他必要な場合』という曖昧な規定であり、政権に都合の悪い状況でも緊急事態を宣言できる余地がある」と懸念を表明しました。
さらに、緊急事態下では内閣が法律に匹敵する効力を持つ政令を出せるようになる可能性があり、国会や地方自治体の権限が弱められる危険性があると指摘しました。
参議院選挙の重要性
憲法改正の発議には衆議院・参議院のそれぞれで総議員の3分の2以上の賛成が必要です。二橋氏は、「現在、参議院では改憲勢力が3分の2に達していない」と説明し、「今後の参議院選挙が改憲の行方を左右する重要な選挙になる」と強調しました。
地域から平和を守る運動を
講演の最後に二橋氏は、「憲法改正や軍拡の問題は国会だけの問題ではない。地域で学び、語り合い、市民の声を広げていくことが大切だ」と訴えました。
平和や憲法の問題は、一見すると遠い政治の話のように感じられます。しかし、軍事費の増額や緊急事態条項の導入は、私たちの暮らしや民主主義のあり方に直結する問題でもあります。
今後の政治の動きを注視するとともに、市民一人ひとりが考え、議論することの重要性が改めて問われています。

(にいざ民報 2026年6月21日 No.2123)


