国の想定 穴だらけ 「有事」巡る先島諸島の避難計画

政府は昨年3月、沖縄県の宮古島市、竹富町、与那国町、多良間村の住民を地域ごとに九州・山口8県32市町に振り分ける「初期的な計画」を作成。これに基づいて各県が作成した受け入れ計画は、具体的な施設名と受け入れ人数を明記しています。

しかし、内閣官房の担当者は本誌の取材に「メディアでも『避難計画』と報じられるが、あくまで『訓練場の検討』だ。有事が起きた時に必ずしも訓練場所に避難するとは限らない」と述べました。住民からも疑問の声が相次いでおり、宮古島市の楚南有香子さんは「急に知らない場所に避難しろと言われても無茶だ」と憤ります。

そもそも政府の非難想定は何重もの過程を重ねています。▽攻撃がまだ発生していないが、事態が緊迫している「武力攻撃予測事態」を国が認定。▽九州・山口各県は安全な状態で交通インフラを維持▽避難先のホテルの空室率は100%などです。

こうした仮定は国側が設定しましたが、現実離れしています。武力攻撃予測事態は定義が曖昧である上、相手の攻撃の意図を事前に見抜く必要があり、適切なタイミングで事態認定をするのは困難です。自衛隊幹部も、仮に攻撃の意図を見抜いて住民を避難させても、その対応を見て相手国が攻撃を延期させた場合には避難を解除せざるを得えなくなるなど事態認定の困難さを指摘しています。

また、「空室率100%」としていますが、石垣市2万7千人を受け入れる福岡市のホテルの稼働率は25年で80・6%と全国でも高水準。韓国や台湾などの外国人観光客は九州全体で増加傾向となっており、各県で5~6割程度稼働しています。文字通り「机上の空論」です。

【7月20日 しんぶん赤旗より】

(にいざ民報 2026年7月26日 No.2128)