第71回日本母親大会 「力によらない平和外交」をどう切り開くか

12日、仙台サンプラザホールで全体会
外交は、長い年月をかけた人々の努力の結晶
今年の大会は、9月12、13日の両日、仙台で行われました。12日は、仙台サンプラザホールで全体会が行われ、「新しい外交を切り開く―平和・人権・くらしが守られる社会を―」をテーマに、弁護士の猿田佐世さんの講演を聞きました。
猿田さんは、現在の世界について「力による平和・弱肉強食の世界」になっていると指摘し、高市政権が軍事力の強化を進めようとしていることについても言及しました。また、トランプ大統領は日本を守らないと断言し、これからの日本に必要なのは、軍事力に頼るのではなく、普遍的な価値である「人権・民主主義・法の支配」を守る外交だと強調しました。
ASEAN諸国に見る「全方位外交」
特に印象に残ったのは、中国をめぐる各国の見方です。日本では「中国は脅威だ」と考える人が多くいますが、ASEAN10か国では、必ずしもそのような見方ではありません。マレーシアやインドネシアでは、中国を重要な国と捉え、必ずしもネガティブには見ていないとのことでした。
米中対立の中で、米国と中国のどちらに好意を持っているかを尋ねた調査では、36か国中30か国が中国に好意的な回答をしたとの紹介もありました。
また、ベトナムは「全方位外交」を進めており、軍事同盟に参加せず、他国の基地も置かせないという外交方針をとっています。
「表の外交」だけではない、マルチトラック外交
日米韓3か国の協議が定期的に行われていますが、外交には、マスコミで報道される政府間の交渉だけではない、もう一つの重要な側面があります。
それが「マルチトラック外交」です。
①政府、②元官僚・議員・地方政府・政党、③市民社会・経済界など、さまざまなレベルで日常的な交流が行われています。社会のさまざまな層がつながりながら外交をつくっていくという考え方です。
モンゴルでは、「ウランバートル対話」が毎年開催されています。そこでは各国が安全保障や平和について意見を交わしています。
猿田さんによると、今回の場で日本側が軍事費の増額や武器輸出の自由化など、軍拡の方向を強調したことについて、他国との考え方の違いが大きく、ひんしゅくを買ったとのことでした。
一方、中国もマルチトラック外交に国家を挙げて取り組み、姉妹都市外交を重視していると紹介されました。
講演の最後に猿田さんは、「外交とは、長い年月をかけた多数の人々によるたゆまぬ努力の結晶である」と話されました。
お話を聞き、広い世界に目を向けながら日本の現在を考えていかなければ、日本の未来も見えてこないのではないかと感じました。

講演する弁護士の猿田佐世さん
「憲法が生きる社会を」 ―全国の活動を交流
2日目は分科会が行われ、私は「シンポジウム 憲法が生きる社会を―みんなで戦争を止めに行こう―」に参加しました。
ジャーナリストの伊藤千尋さん、弁護士の長尾詩子さんが助言者となり、全国各地で取り組まれている平和や憲法を守る活動について交流しました。
それぞれの地域での取り組みを聞く中で、平和を守るためには、国の外交だけでなく、地域や市民一人ひとりの活動も大切だと感じました。
今回の大会には、会場参加者が2692人、オンライン参加者が5508人、合わせて8200人が参加しました。
新座母親連絡会代表 嶋田 好枝
(にいざ民報 2026年9月27日 No.2136)


