「憲法の生きる平和外交を、9条こそ戦争の歯止め」新座革新墾が憲法学習会 伊藤真弁護士が講演

新座革新墾は5日、市民会館で「憲法9条の生きる平和外交を」と題して、憲法学習会を行い、9条の会世話人で伊藤塾塾長の弁護士、伊藤真氏を講師に迎えました。

伊藤氏は1時間40分にわたって講演し、約百人が参加しました。

伊藤氏は、軍事費を5兆円増やしてGDP2%(約10兆円)にする動きがあることや、「毎日」の世論調査でも防衛費を「増やすべき」が増え、反撃能力の保有は「賛成」が66%に及ぶと紹介。ウクライナ戦争を機にこうした声が増えてきたが、軍事費を5兆円増やすといってもカネは天から降ってくるものではなく、福祉の削減や後退に繋がると強調。5兆円あれば年金を1人12万円増、大学授業料の無料化、医療費負担ゼロが実現できると指摘しました。

伊藤氏は「軍事力では結局、攻撃は防げない」「応戦すれば民間人の被害が拡大する」と指摘し、「むしろ非軍事中立の方が国民の生命、身体、財産を守れる」と強調。また日米安保条約があるから大丈夫だと思うのは間違いで、「米国は国益に反してまでは日本を守らない」と述べるとともに、「あらゆる侵略者は常に『自衛』をロ実に戦争を始める、その歯止めこそが憲法9条だ」と力を込めました。

また伊藤氏は、自民党が改憲案で目指しているのは「自衛隊を憲法に明記して9条を骨抜きにすること、内閣が自由に人権侵害できる政令制定を可能にすること、教育内容への国家介入を容易にすること」だと詳述。これに関連して伊藤氏は、改憲の国民投票や国民投票運動について、少数(投票率)による改憲の危険、資金力の多寡による不公平など問題点を上げました。

伊藤氏は、戦後の日本に触れ、その歴史は軍事力によらない平和、なかでも憲法9条による信頼関係の構築や軍事力以外の国際貢献だったと述べるとともに、日米同盟など軍事力とのせめぎあいだったと指摘。日本に期待される国際貢献は「非戦と非核、軍縮の積極的な推進だ」と強調しました。

最後に伊藤氏は、憲法が改悪されたら取り返しがつかないとし、①憲法を現実に近づける。②憲法を知った者として主体的に行動する。③慌てず、焦らず、諦めないことだと結びました。

講演する伊藤真弁護士
講演する伊藤真弁護士

【文責:綾部 健】

(にいざ民報 2022年6月19日 No.1950)