難聴対策に背を向ける新座市政 認知症予防に有効な補聴器補助・聴力検査「検討せず」

小野だいすけ議員
小野だいすけ議員

難聴が認知症の最大の危険因子であることが、国際的な常識となっています。しかし、新座市の並木傑市長は、科学的知見と全国の自治体での前向きな取り組みに背を向ける姿勢を明らかにしました。12月議会で小野大輔市議は、「補聴器購入補助制度の創設」と「聴力検査の実施」について、一般質問しました。

難聴は認知症の最大リスク

小野市議は、2017年の国際アルツハイマー病会議で「難聴が認知症の危険因子の中で最も高い(9%)」と発表されたことを紹介。認知症の約35%は予防可能であり、難聴対策は極めて有効だと指摘しました。ところが日本では、補聴器への公的補助は障がい者手帳を持つ重度難聴者に限定され、しかも聴力レベル70デシベル以上という厳しい基準です。その結果、日本の補聴器所有率は14・4%と、欧米諸国に比べ著しく低い水準にとどまっています。「補聴器は眼鏡や入れ歯と同じ生活必需品。それなのに30万円以上もする補聴器が保険適用外では、年金生活者には手が届かない」――小野市議は、市民の切実な声を代弁しました。

全国で広がる補助制度 市は「調査研究」止まり

小野市議は、全国で補聴器購入費を助成する自治体が527自治体にまで増加していること、東京都では最大14万4900円の補助制度が始まっていることを示し、市でも制度創設を求めました。しかし並木市長の答弁は、「他市の実施状況や効果を考慮しつつ、引き続き調査研究」と踏み込まない姿勢に終始しました。

聴力検査も「費用がかかるからやらない」

さらに小野市議は、加齢性難聴は本人が気づきにくいからこそ、健診に聴力検査を組み込み、早期発見の仕組みをつくるべきだと主張しました。港区ではすでに聴力検査を実施し、医師・補聴器技能者・自治体が連携する「港区モデル」を構築。自覚のない難聴者が約3割いるという事実も示されています。一方、新座市の取り組みは、ホームページでのチェックリストやアプリ紹介にとどまっています。市長は「1人あたり3850円、総額で約3000万円かかる。大変多額の費用なので実施は難しい」と答弁。

難聴は、孤立やうつ、認知症につながり、生活の質を大きく低下させます。補聴器補助や聴力検査は「ぜいたく」ではなく、健康寿命を延ばし、結果的に医療・介護費を抑える先行投資です。

市民の尊厳より財政論を優先する市政でいいのか

小野市議は、「誰もが難聴になっても明るく、自分らしく生きられる新座市に」と強く訴えました。全国が前に進む中で、いま求められているのは「調査研究」ではなく、市民の声と科学的根拠に基づいた決断です。

補聴器

(にいざ民報 2026年1月11日 No.2106)