「1時間に1本運行」「交通不便地域はありません」大阪狭山市の市内循環バスを視察して

年間約38万人が利用する市内循環バス=大阪狭山市
年間約38万人が利用する市内循環バス=大阪狭山市

日本共産党市議団6人は8月8日、大阪狭山市の市内循環バスの調査研究を行いました。
大阪狭山市は人口5・8万人、面積11kmのコンパクトな街です。新座市と似て南北に長い地形ですが、市内循環バス3路線で、市内をくまなく運行しているので視察先に選びました。

当市の市内循環バスは(1)公共交通空白地域へのバス路線の確保、(2)公共施設へのアクセスの向上、(3)高齢者の生活利便性の向上等を目的に、2011度から運行を開始。現在は、バス7台で3路線、毎日一時間に一本両周りで66便、年末年始以外、土日も運行しています。運賃は大人100円、子どもや障がい者は50円です。
利用者は年々増え、2017年度は約38万人と多いのに驚きました。総事業費は約7200万円ですが、料金収入が45%約3300万円あり、市の補助金は4000万円でした。

市民に利用しやすくするため、(1)市内どこでも500メートル以内にバス停がある。(2)7時10分、8時10分等と同じ時刻に来るので時刻表を見なくてもわかる。(3)バスロケーションシステムやQRコード添付などでさらに利便性向上を図っていました。

今後の課題は一日約5000人が利用する近畿大学病院の他市への移転が大きな課題だそうです。

担当者は、「公共交通の空白地域はありません」と言い切り、「来年消費税10%が予定されているが、今以上に広報PRして利用者を増やし、100円バスを堅持したい」と語っていたことが印象的でした。市民の利便性を第一に考えた循環バスの改善にむけて、大いに学ばされました。

(記・工藤薫市議)

3路線で市内をくまなく回る
3路線で市内をくまなく回る

(にいざ民報 2018年8月26日 No.1778)