「子どもの権利条例」を制定しよう 『子どもの権利条約フォーラム2018 IN とちぎ』に参加して

辻みき議員

11月3〜4日に足利市の足利市民プラザで行われた『子どもの権利条約フォーラム2018 IN とちぎ』のうち、二つの分科会に参加しました。現在、子どもの権利条約を締結している国は196か国に上ります。会場入り口には子どもたちが作った歓迎の横断幕が貼られていました。

【国連・子どもの権利委員会による日本審査】

講師は、子どもの権利条約NGOレポート連絡会議の平野裕二さん。子どもの権利条約第43条に基づいて、各締約国の条約実施状況を審査するために設置されているのが国連・子どもの権利委員会です。年に3回スイスのジュネーブで開催され、委員は日本からも選出されています。子どもの権利委員会の第一回審査(1998年5月)で勧告された主な問題として競争主義的な教育制度の見直しがあげられていますが、日本政府はそのようには考えていないと開き直りの姿勢だと指摘していました。

また、市民、NGOとの政府報告書の意見交換会の全般的な評価としては、●重要なデータが欠落しており、子どもたちの実態や施策の効果がみえない●条約に対する基本的な理解が不十分、●自治体の取り組みを活かそうとする視点が欠けている、と指摘されています。

これからのスケジュールは、2019年の1月16〜17日に本審査が行われる予定になっています。意見交流では、子どもの権利擁護についての第三者機関などを設置するにはどうしたらいいのかなどの質問も出されました。

【市民による子どもの権利条例づくり】

講師は子どもの権利条約ネットワークの荒牧重人さん。いくつもの自治体の子どもの権利条例づくりに携わってこられた方です。印象的だったのは、子どもは単に「未来の担い手」ではなく「今を生きる主体」でもあり「社会の宝」にとどめるのではなく「社会の一員、構成員」としてみる視点です。

そして、子どもにやさしいまちは全ての人にやさしいまちだということを確認できました。また、権利条例の制定は時間がかかることであり、具体的な場面で子どもの権利を一つ一つ示していくことが重要だなと思いました。

閉会式では「えんたくん」という方法でワークショップに参加しました。ファシリテーターとして子どもたちがグループに加わり、初めて会った参加者同士で交流しました。参加している子どもたちの生き生きした表情が印象に残りました。

条例づくりを進めている自治体の取り組みも知ることができ、充実した研修になりました。

(記・辻みき市議)

『子どもの権利条約フォーラム2018 IN とちぎ』に参加

『子どもの権利条約フォーラム2018 IN とちぎ』に参加

(にいざ民報 2018年11月11日 No.1789)