寄稿『子どもの権利』を制定して、子どもたちに教えよう

「にいざ民報」掲載の辻市議の質問の記事を読むと、市長も教育長も「子どもの権利」を子どもたちに知られることを恐れているように思われる。子どもに権利を主張されたら、どう対応すべきか、全く自信がないようだ。

コスタリカは日本に続いて、平時には軍隊を持たないと決め「兵士と同数の教師を」をスローガンにして、教育立国を進めてきた。その教育の内容がすばらしい。6歳半で小学校に入学すると最初に、子どもは国や社会から「愛される権利」を持っていることを学ぶのである(伊藤千尋『凛とした小国』)。子どもたちは、家や学校でその権利を主張し、大人たちと議論を交わすことだろう。

ある小学校で校長が車で通勤し、校庭の一部を駐車場にしたら、児童が遊び場を減らされたことは「愛される権利」を侵害された、と裁判所に提訴した。「愛される権利」をまず教えるようにしたのは「子どもの権利条約発効」より何十年も前のことである。

辻市議の「子どもの権利」を子どもたちに周知させるため、やさしい言葉で書かれたリーフを作成しては、の提案に対して、市側はせめて「検討する」とこたえてほしかった。

コスタリカに学んで新座市でも、平易で簡潔な「子どもの権利」を制定して教えるよう、元教師の私は、深い反省の上に立って提案したい。

(大森 敬蔵)

(にいざ民報 2019年4月28日 5月5日合併号 No.1811)