不条理な政治を変えていくために連帯しよう 望月衣塑子さん講演会開催
2月20日(土)、朝霞市民会館にて、東京新聞記者「望月衣塑子さん講演会『ウソの政治と報道 いま現場から考える』(市民が野党をつなぐ埼玉4区の会主催)が行われました。1年前に開催予定でしたがコロナ感染症拡大により延期になっていました。
衆議院埼玉4区の予定候補、国民民主党の浅野克彦さん、日本共産党の工藤薫さんの連帯のあいさつの後、望月衣塑子さんの講演が始まりました。概要は以下の通りです。
はじめに映画「新聞記者」の紹介ビデオを放映。その後官僚や政治家との臨場感あふれるやり取りや、政権側の理不尽な発言の数々を紹介しながら、コロナ対策、現政権の問題点など『国民が本当に知りたいこと』をスライドを使ってリアルに語りました。
- 「女性の会議は時間がかかる」との失言で内外から批判にさらされ、辞意表明に追い込まれた森会長。
- 菅首相の長男と総務省の幹部たちの接待問題。
- 経済対策の73・6兆円のうち、コロナ対策は5兆9千億円にとどまる。予備費3800億円のうち3100億円をGoToに使うなど、二階氏や菅首相の思惑を色濃く反映した予算。休業補償への欧州との差は歴然としている。
- GoTo事業に固執する首相。命よりオリンピック、伸びないPCR検査。
- 外国人労働者の生活困窮は深刻。人権侵害の技能実習制度が横行し、違法性のある働かせ方が増えている。
- 安倍前首相が辞任、菅新総裁誕生で進む官邸重視、国会軽視。
- 桜を見る会、森友改ざん問題ではまだ安倍首相は説明責任を果たしていない、議員を辞職して責任をとるべきと強調。
記者としてのテーマは・・・
記者としてのテーマは『権力側が隠そうとすることを明るみに出すこと!』。大学生らが、森氏の処遇や再発防止を求める署名、15万7425筆を提出、発起人の能條さんは『森会長個人の問題に矮小化せず、社会全体の問題、変える契機に』と述べた。また黒川検事長の定年延長問題をめぐり、検察庁法改正案に抗議する声がSNSでも大拡散され追い詰めた。連帯して声を上げることの力を訴えました。
森友の改ざん問題で夫の赤木俊夫さんを亡くした雅子さんの言葉の数々も紹介。『安倍元首相は夫を切り捨てた。できるだけたくさんの資料を集めて事実を明らかに。夫のような被害者が二度と出ない社会へ』と。
メディアの役割とは・・・
そもそも、メディアの投割とは権力の監視、チェックであるべきだが、報道の自由ランキング、日本は67位。今必要なのは多様な声を社会や政治にいかしていくこと。この先8か月以内に行われる総選挙で、たくさんの人に投票に行ってもらう必要がある。
菅首相への質問に対して無視されたり、何度も妨害を受けたが、すぐに地方紙13紙が社説などで批判し、市民や弁護士、記者のOB・OG、9条の会など全国から官邸に批判の声が殺到した。昨年3月14日には官邸前デモが行われ、妨害を阻むことが出来た。
声をあげることで・・・
声をあげることで社会は変わることを見てきた。野党も選挙協力が進んでいる。最後に望月氏は、自身が大切にしているガンジーの言葉を紹介しながら、『人は微力だが無力ではない、不条理な政治を変えていこう、連帯しよう』と明るく元気に呼びかけました。
埼玉4区の会への入会申し込みや募金が相次ぎました。寄せられた感想の一部を紹介します。
- 小気味のよい話しぶりに思わず引き込まれました。正しいことを見る眼を常に養っていかないといけませんね。
- 望月さんのでエネルギッシュな語りに、残念なニュースばかりの中で力づけられました。
- 言葉に力があって身ぶり手ぶりでひとり漫才を見ているようでした。久しぶりに涙を流して楽しませていただきました。
- 政治の裏側がよくわかりました。私たち一人ひとりが負けず粘り強く闘うことの大切さが伝わってきました。
- まるでドキュメント映像を見ているように話に引き込まれました。
- 最近のマスコミの頼りなさ、無能ぶりにあきれていました。ひとりでも「おかしい!」と声をあげることの力と影響を実感しました。
(にいざ民報 2021年2月28日 No.1892)