市の貯金(財政調整基金)は75億円で過去最高 削減した市民サービスは全て元に戻せ

日本共産党新座市議団 嶋田好枝 小野由美子 黒田実樹 笠原進 石島陽子 小野大輔

並木新座市長は3月市議会で令和4年3月末で市の貯金額(財政調整基金の残高)は約75億円となり過去最高となること、令和2年10月1日に発出した財政非常事態宣言を3月末で解除することなどを発表しました。

「コロナ禍で市税などが大幅に減る見込みで、このままでは令和3年度の予算編成ができない」と福祉などの市民サービスを削減して1年6ケ月が経ちました。「お金が無いのなら市民サービスを削るのは仕方がないか」と市民に思わせる宣伝をしてきたのに、わずか1年6ケ月の間に「なぜ貯金が65億円も増えたのか」との市民の疑問に、並木市長は説明をしません。「事業全般の見直しなどの徹底した取り組みなどにより、本市の財政状況は当面の危機から脱することができた」と言いますが、事業見直しによる令和2年度・3年度の削減額は約22億円です。増加した貯金額65億円の3分の1程度です。残りのお金はどこから出てきたのでしょうか。

「そもそも、本当に新座市は財政非常事態だったのか」との疑問は大きくなります。財政非常事態宣言の財政試算は、「コロナ禍で市税等が大きく減る見込み」でしたが、市税収入は大幅増収で令和2年度は過去最高。3年度も同額見込みです。地方消費税交付金・地方交付税など国からくるお金も増えました。令和3年度の収入は2年度より20億6200万円も減ると財政非常事態宣言では見込みましたが、実際には減らずに逆に20億円以上も増えました。

財政非常事態は間違った試算で自作自演

並木市長は、令和2年10月という旱すぎる時期に間違った財政試算をして、「財政が大変」と騒いだのです。財政非常事態宣言を発出して市民サービスを削減した市は、県内64市町村の中で新座市だけです。財政非常事態宣言は自作自演でした。

「財政非常事態宣言は間違いだった」という共産党の追及に、並木市長は「財政非常事態宣言は英断だった」と答弁し、自画自賛しました。

令和4年度予算では、町内会への補助金、林間学校への補助金などが復活して元に戻りました。イベント・祭り・文化事業などはこれまでの約70%の予算で再開されます。しかし、高校生の通院医療費補助、障がい者や高齢者などへの福祉事業補助などは、ほとんど削減されたままです。

75億円にも貯金が増えたのに福祉事業を削減したままで復話しないことから「コロナ禍に便乗して新座市の福祉を削減することに財政非常事態宣言の本当の目的があった」との見方が広がっています。

市民サービス復活せよと共産党が予算組替を提案

共産党市議団は下記のように15項目の復活のための予算組み替え動議を提案しました。市民と語る会は賛成しましたが、公明党・政和会・由臨会が反対して否決されました。


共産党が提案した令和4年度予算の組み替え動議

財源の確保 歳入 財政調整基金からの繰入れ 1億9560万円

歳出の増額

  1. 18歳までの医療費無料化(高校性の通院費を無料化) 5800万円
  2. 高齢者いきいき広場を見直し前同様に実施 370万円
  3. 障がい者福祉手当を見直し前に復活 5680万円
  4. 難病患者支援金の復活 650万円
  5. 市民相談を見直し前同様に実施 280万円
  6. 集団資源回収奨励金を見直し前に復活 610万円
  7. ジュニアアスポートの実施 430万円
  8. 障がい者通所施設補助を見直し前に復活 1000万円
  9. 障がい者とひとり親家庭で非課税世帯の入院時食事代補助を実施 650万円
  10. 障がい者の交通費助成を見直し前に復活 1200万円
  11. 敬老祝い金を見直し前に復活 770万円
  12. 重度要介護高齢者手当を見直し前に復活 1570万円
  13. 福祉の里体育館夜間利用の復活 250万円
  14. 市営庭球場の月曜利用の復活 170万円
  15. スズメバチ等の巣の撤去補助を見直し前に復活 130万円

歳出合計 1億9560万円


議案に対する各議員の賛否状況(賛成○反対×)


(にいざ民報 2022年4月17日 3月議会報告号)