財政非常事態宣言は必要なかった 収入は減らず市の貯金は史上最高の75億円!
9月市議会の令和3年度決算審査で、令和2年10月に発出した「新座市財政非常事態宣言」の財政見通しは誤りであったことが、再度明らかになりました。
収入増なのに財政非常事態宣言を継続
「コロナ禍で市税収入等が大幅に減る見込みなので、歳入が歳出より25億円も足りない。このままでは令和3年度の予算が編成できない」と言って、障がい者や寝たきり高齢者の手当、高校生の通院医療費無料等の福祉制度や市民サービスを削減しましたが、令和2年度、3年度とも市税収入等は過去最高だったのです(表1)。
共産党の要求で提出された月ごとの市税収入等一覧によると、「宣言」を発出した令和2年10月時点で見ても2年度の収入はコロナの影響がない元年度よりも多くなっています。2年度末の収入はさらに増え、年度末の財政調整基金(貯金)は5億円と見込んでいたのに29億円になりました。
令和3年の10月から4年度の予算編成が始まり、収入は元年度より3年度の方が多いことがわかっていたのに削減された福祉制度は元に戻さず、市民サービスの復活は一部のみの予算になりました。
市長が「宣言」を解除したのは、収入が減るどころかさらに増え、貯金も史上最高の75億円になった令和3年度末になってからです。
収入増の事実は、市長、副市長、財政部長など一部の幹部のみに知らされ、市議会や市民には知らされませんでした。
市民の命とくらしを守る市政とは逆さま
日本共産党は決算の反対討論を黒田市議が行い「①『コロナ禍で税収等が減る』と削減を進めたのだから、見込み違いが分かった時点で元に戻すべきだった。市民が思いがけない苦労にあった時、市民相談など支えになる事業を市は削ぎ落してしまった。住民の福祉の向上、くらしや命を守ることと逆さまなことをした。②個人情報の集中や国家による一元管理の危険が指摘されている、マイナンバーカードの取得を押しつけるべきではない。③コロナ禍できめ細やかな施策が必要だったのに職員数を大幅に減らした。障がい者雇用率が大幅に未達成」などを指摘して不認定としました。
新座市は「宣言」による見直しで国や県の制度を上回る市独自の事業を廃止・削減しましたが、それでは地方自治の役割を果たせません。優れた福祉は新座の誇りだったはずです。命とくらしを守る市政を求めましょう。
(にいざ民報 2022年10月23日 9月議会報告号)