上下水道施設の維持管理業務等包括的民間委託とスマートインター利用のまちづくりを視察(建設常任委員会)

建設常任委員会は7月12日と13日に、石川県かほく市の「上下水道施設を一体管理とした包括的民間委託」、能美市の「スマートインターチェンジを利用したまちづくり」について視察しました。石島陽子・小野由美子の両議員が参加しました。

上下水道施設の包括民間委託事業・かほく市

かほく市は3町が合併して誕生しました。市の財政悪化と合併による人員削減、ベテラン職員の異動や退職に伴うノウハウの喪失と、職員1人当たりの業務量の増加を背景に、順次包括的民間委託を進めてきました。

平成25年度からは公共下水道と農業集落排水事業に加えて、水道事業についても施設を一体的に管理する包括的民間委託を行っています。かほく市の水道は深井戸の水が67%と、水質が良質なため特別な技術が必要とされることが少ないということも、包括的民間委託で実施する理由になっています。

事業者選定は3事業の維持管理者が違い維持管理レベルに差が見られたため、サービスレベルの維持向上と効率化を目的に、全国公募型プロポーザル方式で行ったということでした。

委託事業者の選定にあたっては、審査項目の中の地域貢献・社会貢献の配点を大きくして、地元の人材や企業を活用するようにしています。また、価格差が選定の評価にあまり反映しない計算式を用いたり、市の技術管理者の技術力が低下しないように人材育成のための研修の工夫をし、第三者機関に官側・民側に平等な立場で監視・評価してもらい履行監視における技術力向上を図っているということ等、参考になりました。

スマートインター利用のまちづくり・能美市

能美市は石川県能登半島の付け根部分にあり、日本海に面した市です。北陸自動車道が通っているのに唯一インターチェンジがない市でした。東日本大震災後、国が「5キロに1か所のインターチェンジを」と方針を出したのをきっかけに、工業・産業団地を準備し、産業界の強い要望もあって開通に至ったそうです。

広大な工業用地やインターチェンジによって世界のトップ企業が進出し、雇用促進、人口増加のきっかけとなり、市民も買い物の足として利用することが調査の結果見えてきたそうです。九谷焼村やレクリエーション施設への観光客の利便性も図られ、市の持ち出しも9億1千万円と多いけれど、全国との距離が近くなったことが能美市の最大のメリットだそうです。

インターチェンジを造るには、前後のインターチェンジの利用が減るようではダメで、新たな利用者を増やすことが必要とのことでした。インターチェンジに接続する道路が、県道なら県が整備し、市道なら市が整備することになるという話でしたが、埼玉県はその点違うようです。

(にいざ民報 2023年7月30日 No.2000)