私たちは多くの希望を失っている 「万引き家族」是枝監督談

第71回カンヌ映画祭で最高賞パルムドールを受賞した、是枝裕和監督の最新作「万引き家族」(6月8日公開)日本では21年ぶり4人目の快挙。映画は祖母の年金に頼りつつ足りない生活費を万引で稼ぐ一家を描く群像劇だ。是枝監督はこれまでも「誰も知らない」「そして父になる」など、現代の家族のあり方に焦点を当てた作品で注目を集めてきた。

日本では報道されていないが、監督は受賞前17日のインタビューで安倍政権下の日本を「経済不況で階層間の両極化が進んだ。政府は貧困層を助ける代わりに失敗者として烙印を押し、貧困を個人の責任として処理している」と批判。さらに「(日本は)地域主義に傾倒し残ったのは国粋主義だけだった。日本が歴史を認めない根っこがここにある。アジア近隣諸国に申し訳ない気持ちだ。(中略)同じ政権がずっと執行することによって私たちは多くの希望を失っている」と戦後処理問題にまで言及。パルムドールを受賞した監督の発言が波紋を広げそうだ。

(韓国最大の新聞社「中央日報」 日本語版ウェブサイト掲載)

パルムドールを受賞した是枝裕和監督

(にいざ民報 2018年5月27日 No.1766)