市税収入は過去最高 市の試算は間違いと判明 財政非常事態宣言は撤回し、削減された福祉サービスを戻せ

日本共産党議員団(左から小野大輔、石島陽子、笠原進、辻実樹、小野由美子、嶋田好枝)
日本共産党議員団(左から小野大輔、石島陽子、笠原進、辻実樹、小野由美子、嶋田好枝)

新座市の令和2年度の市税収入は247億円となり、新座市制50年の中で過去最高となりました。財政調整基金(市の貯金)は、昨年8月段階での試算では約5億円でしたが、3月には29億円以上になりました。

10月1日に発出された財政非常事態宣言では、「新型コロナウイルス感染症拡大の影響により市税収入などの大幅な減収が予測され」「わずかな財政調整基金を全て取り崩しても約25億円の財源不足か生じる結果となりました」と述べていますが、これらは間違いと判明しました。

日本共産党市議団は、「過去最高の市税収入があるのに、財政非常事態宣言はおかしい。8月に行った財政の試算は間違っていた事を認め、財政非常事態宣言を撤回すべきだ」と要求しました。

令和2年度市税収入は過去最高額

財政調整基金は29億円

並木市長は、「令和2年度は幸い結果として8月の試算のような減収とはならなかったが、令和3年度はコロナの大きな影響を受け大幅な減収になると思う」と強弁して、間違いを認めず財政非常事態宣言を続けるとしています。

市長は、令和3年度一般会計予算で、福祉サービスを大幅カット、道路の補修工事を中止、集団資源回収奨励金の休止、町内会や民生委員等への補助金カットなどを提案しました。

共産党が予算組替え提案

日本共産党市議団は、予算の組み替え動議を提案しました。「新型コロナで大変なのは市民の方です。大事なことは、コロナ禍から市民の命とくらしを守ることです。財政調整基金を取り崩し削減された福祉を戻すべきです」と小野大輔市議が提案しました。内容は下表の通りです。


共産党が提案した令和3年度予算の組み替え動議

1 財源の確保

財政調整基金からの繰入れ 3億2141万円

2 歳出の増額

  • 18歳までの医療費無料化(高校生の通院費を無料化) 5800万円
  • 高齢者いきいき広場の実施 1500万円
  • 障がい者福祉手当の復活 7800万円
  • 市民相談の実施 490万円
  • 集団資源回収奨励金の実施 2200万円
  • 道路維持補修工事の実施 5900万円
  • 敬老祝い金を見直し前に復活 760万円
  • 町内会・民生委員等への補助は見直し前に復活 1500万円

など18項目

歳出合計 3億2141万円


笠原進市議は「新座市の財政力は全国792市の中で110位で上位7分の1の中に入る。市税収入は過去最高となった。財政非常事態宣言を続け、福祉サービスカット、道路工事や雨水対策工事の中止、経費削減のため市民まつりなどを中止すれば新座市に活気が無くなり寂しいまちになってしまう。財政非常事態宣言は撤回し、削減された福祉サービスは元に戻すべきだ」と賛成討論。市民と語る会は賛成しましたが、公明党・政和会・由臨会は反対し、動議は否決されました。

福祉を削減する予算に公明党・政和会・由臨会が賛成

子ども医療費無料制度など福祉を削減した令和3年度当初予算は、公明党・政和会・由臨会の賛成で可決されました。日本共産党と市民と語る会は反対しました。賛否は下表のとおり。

議案に対する各議員の賛否状況
※ 表をクリックすると拡大表示します ↑

(にいざ民報 2021年4月18日 3月議会報告号)