「戦没者の遺骨含む土砂を埋立てに使用するな」意見書 共産党・語る会・公明党・由臨会の賛成で採択

12月17日の本会議で「沖縄の戦没者の遺骨等を含む土砂を埋立て等に使用しないよう求める意見書」が小野大輔市議から提案され、共産党、市民と語る会、公明党、由臨会の賛成多数で採択されました。政和会は反対しました。意見書は、内閣総理大臣、内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)に提出されます。全国の自治体では、沖縄県外の30都道府県107県市町村議会で意見書が採択されています。(2021年10月27日現在)

意見書は、「糸満市摩文仁では、沖縄戦で犠牲を強いられた県民や命を落とされた兵士の遺骨が残されており、戦後76年が経過した今でも戦没者の遺骨収集が行われている」「大戦で犠牲になった人々の遺骨が入った土砂を埋立てに使用することは人道上許されない」として、以下の2点を求めています。

  1. 悲惨な沖縄戦の戦没者の遺骨等が混入した土砂を埋立てに使用しないこと。
  2. 住民を巻き込んだ苛烈な地上戦があった沖縄の事情に鑑み、「戦没者の遺骨収集の推進に関する法律」により、日本政府が主体となって戦没者の遺骨収集を実施すること。

政府の責任で遺骨収集を

戦没者の遺骨収集の推進に関する法律は2016年2月に国会で成立しました。遺骨の収集を国の責任で行うことが明文化されました。

厚生労働省によると、沖縄、硫黄島、海外で亡くなった戦没者は、約240万人で、遺骨が収集されたのは127万人。残りは、113万人となっています。国の事業で収集されたのは34万人にとどまっています。多くは遺族やボランティア、民間事業者が国の委託を受けて収集を行っています。

岸田首相の地元でも採択

沖縄戦遺骨収集ボランティア団体の「ガマフヤー」は、全地方議会(1743自治体)へ意見書採択を促す要望書を発送しています。岸田文雄首相の地元広島県では尾道市、庄原市議会が採択しています。

議員提出議案は、「石炭火力発電所の廃止を求める意見書」を辻実樹市議が、「政党助成金制度の廃止を求める意見書」を石島陽子市議が提案しました。

二つの提案は、共産党と語る会が賛成しましたが、公明党、政和会、由臨会が反対し否決されました。

陳情2本が採択

同日の本会議では、陳情3本が採決されました。

学校・公共施設の女性トイレに生理用品の常備を求める陳情書は、共産党、語る会、公明党の賛成多数で採択されました。

新座市総合運動公園陸上競技場に関する陳情書は、共産党、語る会、公明党、由臨会の賛成で採択。

「75歳以上の医療費窓口負担2倍化の撤回を求めるための意見書」を国に提出することを求める陳情は、共産党と語る会は賛成しましたが、公明党、由臨会、政和会が反対し不採択となりました。

(にいざ民報 2021年12月26日 No.1929)