市で初めてのPFIを検討 東北コミセン・三軒屋公園複合施設整備

東北コミュニティセンタ—と三軒屋公園、三軒屋公園地下駐輪場を複合施設としで整備する「(仮称)新座市三軒屋公園施設基本計画(素案)」で、事業の発注について、民間事業者に建設・管理・運営を一括で発注する方針が検討されています。

建設・管理・運営を民営化

市は、当初、複合施設を民間事業者が所有し、建設・管理・運営を任せることを含めた四つの方式を検討していました。しかし、企業の話を聴く調査で物価高騰により建設費用を賃料収入で回収できないとして、施設の所有は市が行う二つの方式に絞って検討しています。

現在、市が検討しているのは、DBO方式とPFI(BTO)方式です(図表1)。どちらも、建設・管理・運営を一括で行う方式で、市で初めて行う発注方式になります(下枠の説明を参照)。

図表1 市が検討している2つの発注案

行政のブラックボックス化

PFI等の民間委託は、多くの自治体で進められでいますが、事業内容などがブラックボックス化し、市の責任が縮小されるなど多くの問題点が指摘されています。安倍政権から政府が推進しています。今回の民間活力調査も全額国の補助金で行われています。

直営は出張所だけ?

計画では、管理・運営方針として、「公共機能と民間機能が複合化した施設であり、可能な限り一体的な管理・運営を行い、効率化を図る」とし、「公園とコミュニティ機能の一体的なマネジメントの実現を目指す」としています。また、「一部機能は一体的な管理・運営範囲に含まない可能性がある」とあります。

図表2では、出張所等は直営すべきものとあります。出張所以外の図書室、児童室なども民間により一体的な管理・運営をされる可能性があります。屋上の立体公園も民間が管理・運営することを想定しています。

図表2 指定管理を検討している範囲(下線部分)

概算事業費(税込み)


PFI方式(BTO)
PFI(プライベイト・ファイナンス・イニシアティブ)とは、公共施設等の設計、建設、維持管理及び運営に、民間の資金を活用し、公共サービスの提供を民間主導で行うこと。PFI方式のBTOは、PFI法に則り、民間事業者が自ら資金を調運して、施設等を整備(Build)し、完成後所有権を市に移転(Transfer)したあと、運営・維持管理(Operate)する方式。今回の複合施設では、建物と公園を一体的に整備し、全体を指定管理により運営・維持管理する想定となっている。

DBO方式
PFIと同じで、設計(Design)、建設(Build)、運営・維持管理(Operate)を民間事業者が一体的に実施する。資金調達は市が行う。


訂正 2月5日のにいざ民報で複合施設の「利用開始は令和7年度中」と載せましたが、正しくは、「利用開始は令和9年度以降」です。お詫びして訂正いたします。


(にいざ民報 2023年2月12日 No.1979)