医療費助成 自治体への罰則廃止へ 厚労省 小学生から18歳未満 抑制策強化も

厚生労働省は7日、小学生から18歳未満への医療費助成を独自に行う自治体への「ペナルティー(罰則)」として強いてきた国民健康保険への国庫負担金の減額措置を廃止する方針を社会保障審議会の部会に示し、大筋了承されました。自治体の努力を妨害する国を追及してきた長年の住民運動や日本共産党の議会論戦などに押されたもので、今後、省令を改正します。ただ、助成制度の拡充につながると問題視し、医療費抑制策を強化します。

子どもの医療費助成は各自治体で年々拡充され、18歳未満までは人口比で約9割が助成対象になっています(2022年度厚労省調査)。しかし、厚労省は助成制度が医療費増を招くとして罰則措置を実施。18年度からは未就学児への助成に限って罰則を廃止していました。

この日の部会で厚労省は、国の少子化対策として18歳未満までの助成への罰則措置を窓口での一部負担金や所得制限の有無を問わず廃止すると提起。廃止時期については今後、調整するとしました。

一方で、窓口無料化や助成対象年齢の拡大につながり、受診患者が増えるなどの「課題」が生じると警戒。子ども医療を「適正化」する取り組みや医療費抑制の達成を自治体にけしかけるための財政優遇を導入する案を示しました。

この医療費抑制策に対し、全国市長会の委員は子育て支援を進めるには「あまり過度なものにしないように」と懸念を表明。地域差を生まないように「全国一律の助成制度の創設を国の責任と財源で早期に実施を」(全国知事会)と求める意見も出ました。

【しんぶん赤旗 9月9日から】

(にいざ民報 2023年9月17日 No.2006)