野火止用水の維持管理に関わる2つの陳情を採決 共産党は第7号の取下げについて退席、第8号は不採択

建設常任委員会に付託された陳情第7号「新座市の歴史的文化史跡でもある野火止用水を本来の形で維持管理していただくことを求める陳情書」と、陳情第8号「野火止6丁目地内を流れる野火止用水周辺の住環境の整備を求める陳情書」に対する採決が、11月27日の本会議で行われました。

審議で問題になったのは、復元整備された野火止用水本流と、新たにつくった支流の護岸整備の手法として透塊ソイル(土からつくられた舗装材)で固めることの是非についてです。

陳情第7号は、野火止用水護岸を透塊ソイルで固める工事の中止、工事済みの2か所を元に戻すこと、草刈り等のボランテイアで市と連携するので、市は維持管理に万全を期して欲しいと要望しています。ところが、10月3日に陳情取下げの申し出がありました。

陳情第8号は、野火止用水護岸の樹木の剪定、伐採による安全・防犯対策の実施と、整備には地区住民の声を反映させること、支流の護岸を透塊ソイルで整備することを要望しています。

陳情第7号については、取下げの承認・不承認について採決が行われ、共産党市議団は退席しました。陳情の取り下げには基本的に陳情者の意思を尊重して承認するのですが、今回は次の2点で退席しました。

第1は、陳情7号は13人の連名で提出されていますが、議会事務局が代表者に確認したところ、「意思疎通を図って取り下げました」と答えましたが、私たちが別の陳情者に確認すると、「私は知らない間に取り下げていました」と答えています。

第2は、議会運営委員会で島田久仁代議員から、「陳情者に第三者から取り下げるよう働きかけがあったと仄聞している。ハラスメント事案だ。慎重に取り扱う必要がある」と発言がありました。共産党の小野大輔議員は、真相の解明を主張しましたが、他会派は賛同せず、第三者からの取り下げの働きかけの真偽は明らかになりませんでした。

以上の2点の理由で、承認・不承認の明確な態度がとれず、残念ながら退席しました。

陳情第8号の採決では共産党市議団と由臨会、市民と語る会が不採択を主張し、新座市議会の結論は不採択となりました。共産党は小野由美子議員が次のように討論しました。

「樹木の剪定による安全、防犯対策や、整備に住民の声を反映させることについては理解します。この地域は埼玉県指定史跡野火止用水保存管理計画で、史跡の適切な保存管理を行う地区と史跡の理解の促進のために活用する地区であり、史跡や地域への愛着、興味をはぐくみ、史跡の価値や魅力を伝えながら、住民の声を反映させるようお願いしたい。また行政とボランテイアの協力による整備が期待できるため、透塊ソイルでの整備には同意できません」

(にいざ民報 2023年12月3日 No.2015)