新座市の財政力は全国上位 財政調整基金は市民要望に活用せよ

笠原すすむ議員
笠原すすむ議員

6月4日の一般質問で、笠原進議員は市財政の問題を取り上げました。

笠原議員】財政非常事態宣言は解除されたが、市財政は元に戻っていないという人がいますが、市長はどのように考えていますか。4年前の市長選挙では財政について何も語らず、選挙後に突然財政非常事態宣言を発出しました。今回は、市長選挙で自分の考えを市民にしっかり語るべきです。財政調整基金が巨額になっています。市民要望の実現のために活用すべきです。財政調整基金の活用についてどう考えていますか。

市長】毎年の当初予算は、歳出が歳入を大きく上回っている状況が続いており、収支差は財政調整基金から繰り入れる状況です。令和6年度当初予算では実質的な収支差補填は約22億円となった。その結果4月1日現在の財政調整基金残高は約36億円で、ガイドラインの一つである通年で35億円をようやく達している状況で、巨額になっているという認識はありません。もう一つのガイドラインである経常収支比率を95%未満とすることについても、令和4年度は95・6%で極めて厳しい。財政健全化については依然として大きな課題が残る状況と考えています。

笠原議員は全国都市財政年報(全国の792市と23東京特別区の財政を比較したもの)を取り上げ、新座市の財政力は非常に高い位置にあることを説明しました。新座市の財政力は全国792市の中で101位で上位にあります。それなのに財政が大変だというのは手腕が問われています。また、全国都市財政年報は人口15万人以上の127市の財政力を比較していますが、新座市は45位でやはり上位です。新座市より財才力が低い市の中には、札幌市、仙台市、新潟市、広島市、福岡市や各県の県庁所在地の多くが並んでいます。新座市は市民の納税のおかげで、財政力の豊かなまちになっています。

須田市長の時代には財政調整基金をため込むことはせず、福祉や教育などの市民要求に活用していました。並木市長の2期目から基金への貯め込みが激しくなり、財政非常事態宣言のもとで、令和3年度にには福祉や道路関係の予算を大きく削減し、約65億円を貯め込みました、新座市はお金がないまちではなく、財政運営に問題があるのです。

過去10年間の財政調整基金の推移(各年度の4月1日と3月31日の現在高)

(にいざ民報 2024年6月30日 No.2037)