2本の陳情が『趣旨採択』に 「保育園の延長料金設定見直し」「介護職員確保の支援」

平成29年11月、12月に市議会に提出された『保育園の保育標準時間及び延長料金に関する陳情書』及び『介護職員確保の支援に関する陳情書』の2本の陳情は、厚生常任委員会で継続審査になっていましたが、4月の厚生常任委員会で結論が出され、6月4日の本会議で議決されました。

●『保育園の保育時間及び延長料金に関する陳情書』

市は昨年7月から延長保育の無料時間帯を廃止し、利用料金の改定を行うこととしました。平成27年度からの「各事業のサービス水準の在り方に関しての検討」のなかで見直しの対象になったものです。法人保育園では延長保育料を各園で設定してもらうことにした結果、保育園によって延長保育料のばらつきが生じています。

その背景には法人保育園の保育士確保が困難な状況があります。延長保育料の上限が設定されていない保育園では、延長保育料が改定前と比べて6倍以上、1万円を超えてしまう事例も起きています。陳情は標準的なフルタイムの勤務時間を考慮した延長料金設定の見直しを求めています。

日本共産党の笠原進議員は「園ごとで料金が違うというのは預けている親から見れば納得がいかないというのは至極当たり前の事。保育士の確保についても市が法人保育園を援助する必要がある。陳情者の思いに100%賛成であり、採択してしっかり問題を解決するという立場が必要だ」と討論しましたが、政和会、公明党、維新の会、刷新の会の多数で趣旨採択となりました。

●『介護職員確保の支援に関する陳情書』

介護現場では人材不足が深刻な状況であり介護職員確保のための早急な対策が望まれています。陳情事項には新座市に対して具体的な支援策を行うこと、潜在する介護の担い手の掘り起こしを行い就労につなげる対策を求めています。また、国、県に対して介護職員確保の充実、介護職員の処遇の改善策、介護報酬の引き上げを求めています。

日本共産党の笠原進議員は「介護職員確保について国や県へ強く要望をすることと合わせて、新座市に対してもしっかりやってほしいと要望するのは議会の仕事。委員会では『趣旨採択』となったが国や県には要望して市には何もしないというのはとても納得できない。趣旨に賛同するのであれば採択するべきだ」と討論しましたが、結局は趣旨採択となりました。今後、国、県に対しては新座市議会として意見書が送付されます。

(にいざ民報 2018年6月10日 No.1768)