財政がないのではなく『使い方』が問題 〜市長の施政方針表明に対する質疑

2月22日、市長施政方針表明に対する質疑が行われ、笠原すすむ市議、石島よう子市議が質疑しました。

笠原すすむ議員

笠原すすむ市議は「並木市長は『本市の財政運営は危機的な局面を迎えており、これまでどおりの行政サービスを続けていては、この状況から脱却することはできません』とあるがどこが危機的な状況なのか。新座市は財政力指数は791自治体のうち117位、県内でも40市のなかで14位と上位であり、財政力は十分にある。このままだと市民サービスができなくなるというのは脅しだ。市民はちゃんと税金を納めており、これで財政がうまくいかないとなるならそれは能力の問題であり、使い方に問題がある」と厳しく批判しました。

さらに保育所の待機児童対策、放課後児童保育室の大規模化、狭あい化への対応は遅れているのではないか。待機児童は2月1日で421人に増えている。市長の「待機児童をゼロにする」という公約に誠実に向き合っているのか。放課後児童保育室の問題は、何よりも優先課題だと訴えてきた。今回の予算で1施設の建設、3施設の設計は組まれたが、H32年度の新制度には間に合わない。区画整理より一生懸命やらないと待機児童が出てしまう。

また、新事業としてスマートインターチェンジの調査研究に497万円予算化されているが、経過からみれば唐突だ。保谷朝霞線が馬場までくるのは30年、40年も先の話ではないか。一方で障がい者施設の公園清掃委託料は、264万円を出せないからといってカットされた。税金の使い方が間違っていると迫りました。

並木傑市長は「いったん走り出した事業を停めるのは難しい、財政健全化まではもうひと踏ん張り。依然として保育所の待機児童の解消には至っていないが、小規模施設2園は4月に開設、認可施設は31年度の完成に向けて準備している。放課後児童保育室についてはココフレンドや既存教室の活用などで総合的に対応したい」と述べました。

石島よう子議員

石島よう子市議は、職員の人材の育成について、新座市は県内でも少ない人員で業務を行っている、自己研修への支援も行い、予算の充実を図るべきだ。また、「未来を担う子供たちが元気な声を響かせ健やかに成長できる街として子育て支援の充実を図るとともに質の高い教育を推進します」とあるが、質の高い教育のためには子どもたち一人ひとりに行き届く少人数学級や副担任の充実が必要だと強調しました。

並木市長は「教職員の指導力の向上、一人ひとりの学力の向上、地域の教育力の向上を主軸において取り組んでいきたい」と述べましたが、市長の公約である少人数学級については一言も触れませんでした。

(にいざ民報 2019年3月3日 No.1803)