介護保険はサービス切り下げと負担増の連続 利用料補助金と、おむつ代補助金は元に戻して

石島よう子市議

国が進める介護保険制度の見直しで、所得の少ない方が施設に入所したときの居住費や食事代を減額する補足給付の条件が厳しくなります。年金は減るのに負担は重くなり、利用料補助はますます必要です。石島議員は、市が廃止した利用料補助制度の復活と、おむつ代補助金の上限額1ヶ月7千円を1万円に戻すよう一般質問で求めました。

介護保険はサービス 切り下げと負担増の連続

介護保険制度ができてからの20年間は、サービスの切り下げと利用者負担増の連続でした。要介護1と認定された人を要支援に移行して、利用できるサービスを減らしました。訪問介護の利用時間の短縮、福祉用具の利用制限、特別養護老人ホームに入所できるのは原則、要介護3以上になりました。施設やショートステイを利用する際の居住費と食事代が自己負担になり、市民税非課税世帯の方には、居住費と食事代を減額する補足給付ができました。補足給付の条件はどんどん厳しくなり、配偶者が課税なら本人が非課税でも減額がなくなり、貯金額によって減額されません。

今回の見直しで、貯金要件が厳しくなり、国民年金の人も貯金が650万円以下の場合しか居住費と食費は減額されません。月額10万円〜13万円弱の年金の人は特養の多床室に入所の場合、自己負担は5万9千円から8万2千円に、特養ユニット型個室的多床室に入所の場合、8万9千円から11万1千円に負担増です。

老老介護は大きな負担

石島議員は「よくお聞きするのは、夫婦の1人が施設に入所し1人が在宅の場合、在宅の方の医療費もかかることが多いので、食費や生活費を削らざるを得ない、貯金がいつまで持つか先行きが大変不安という話です。補足給付から外れることで施設を出なければならない人や、入所申し込みもできなくなる人、また、ショートステイの食費も2倍になるので利用を控える人が出てくることが心配されます。利用料助成金は暮らしが大変な市民税非課税世帯への補助。経済的事情や家族の状況にかかわらず少しでもサービスを利用しやすいよう、継続しなければならなかった制度です。

認知症の妻を介護している80代の男性からは『症状は重くなっていくのでトイレに間に合わないことが増え、1万円ではとうてい足りない。安いものを買いに行くけれど、自分の足下もおぼつかないので大変だ』と伺いました。老老介護が増えている中、削減されたのは月額3千円ですが、生活全般にわたってご苦労され、いろいろな意味で金額以上の負担になっています」と補助金復活を強く求めました。

市長は「いろいろな生活をされている方がいるとは思います。危機的な財政状況で来年度は厳しい。現状では困難です」との答弁にとどまりました。

(にいざ民報 2020年10月4日 No.1873)