新座の福祉削減問題のテレビ報道 よかったけれど切り込み不足

6月28日、テレ朝「報道ステーション」で新座の福祉・市民サービス削減問題が報道されました。福祉削減が多岐にわたることを紹介し、ねたきり手当を削減された夫を介護する夫人や高齢者いきいき広場休止で困っている女性など切実な市民の声を伝えていました。

「その通り」と思いながら見ていたのですが、そのあと、「財政非常事態宣言」が新座市はじめ7市でだされ、全国でコロナ禍による財政難が広がっているとのコメントが入ったので「あれっ」と思いました。財政難は番組の調べでたった7市なのです。ウラを返せば全国約800市のほとんどは財政難ではないことを示しています。それはなぜなのでしょうか。市のコロナ対策の財源はほとんどが国からの支給されています。また市税収入が減った分は、国から地方交付税が支給されるしくみです。ですからコロナ禍が原因で市が財政難に陥ることはないのです。

そのうえ、コロナ禍による自治体の税収減自体が発生していなかったことがすでにわかっています。7月6日付の朝日新聞によれば、国は昨年度の税収についてコロナ禍の影響で減るとの予想に反して過去最高となった、と発表したのです。意外に思われるかもしれませんが、コロナ禍で飲食業や旅行業など一部の業種がたいへんな苦境に陥っている一方で、好況の業種もあり、税収全体としては上向きなのです。

「たとえ市が財政難になっても市民生活にしわ寄せするべきではない」という番組のコメントは正しいのですが、新座市のようにそもそも財政難ではないのに、コロナ禍を口実に福祉を切り下げている行政の姿勢に対し、番組が切り込まなかったのは残念でした。

【投稿 S・T】

(にいざ民報 2021年7月18日 No.1909)