「黒田」に姓を変え活動します 黒田(辻)実樹

黒田みき
黒田みき市議

新しい一年が始まりました。2月より、私は黒田実樹として活動します。「黒田」は旧姓です。なぜ皆様に覚えていただいている「辻」姓をわざわざ変えるのか、紙面をお借りしてお伝えさせていただければと思います。

私は結婚する際に名前をどうするか少し迷いました。夫はどちらの姓でも良いと言ってくれましたが、結局は女性が改姓するのが普通だと、大きな抵抗もなく「黒田」から「辻」に改姓しました。実際に戸籍の名前を変えるとなると、住民票はじめ保険証などの公的な手続き、銀行口座からポイントカードまで様々な手続きをしなくてはならず、喜びどころか苦痛を感じました。前職の病院勤務時代、通称は黒田のままで、戸籍上の氏名と通称姓とを場所に応じて使い分けながら生活していました。

2016年に市議会議員選挙に立候補するにあたり、名前は一本化しようと黒田姓には見切りをつけて辻姓でやってきました。しかしこの5年間、思っていた以上に辻の姓に違和感を感じ、何とか慣れようと努力はしてきましたがやはり、自分が自分らしくいられるのは黒田姓だとの思いが強くなってきました。生まれてからずっと名乗ってきた名前、私の人生ずっと付き合ってきた名前を変えてしまう事の大きさを改めて実感したのでした。

2018年、選択的夫婦別姓制度の導入を求める世論が盛り上がり、法整備ができたらすぐに黒田に戻そうと実現を待っていましたが、2021年6月、最高裁が夫婦別姓を認めない民法などの規定を「合憲」とする判決が出されたことに落胆しました。世界では選択的夫婦別姓が当たり前。国民の多くは選択的夫婦別姓に賛成なのに、未だに「家制度」に固執し夫婦同姓を強制する現政権に怒りを覚えました。法整備の実現はいつになるかわからないこと、自分が自分らしくいられる名前を大切にしたいという思いから、旧姓使用にすることを決めました。

氏名はその人らしさそのもの、個人の人格の象徴。人権の問題です。結婚して姓を変えたい人も、変えたくない人もいます。人生の節目にどの姓にするのかは、世界の国々と同様に、当事者が自由に選択できるようにしてほしい。家族にはいろいろな形がある、多様性を認め合える社会をつくりたい。自分らしく生きたい。そんなポジティブな社会の実現に向けて行動する一つの形です。

市議会議員として公的な立場にある私が、選択的夫婦別姓の実現を願い旧姓使用にすることが、ジェンダー平等社会へ少しでも近づく一歩になればと思っています。

通称姓が変わっても、市民の皆さまと「少しでも良い社会に変えていきたい」という気持ちは何も変わりません。これからも誰もが安心して暮らせるまちづくりに力を尽くしていく決意です。改めて、よろしくお願いいたします。

黒田実樹

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(にいざ民報 2022年1月30日 No.1932)