市税収入が減の「偽りの説明」で宣言を継続 市民・市議・職員にも事実を隠し

9月市議会の決算審査で、新座市の財政非常事態宣言の間違いが明白になりました。並木市長は、令和2年10月1日に「コロナにより市税等が大きく減る見込み」として、財政非常事態宣言(以下「宣言」)を発出し、福祉制度や市民サービスを大きく削減しました。「宣言」が解除されたのは1年半後の令和4年3月31日でした。

ところが、今回提出された資料によれば、収入は減るどころか増えていました。表1を見てください。「宣言」を発出した10月1日の時点で見ても、令和2年度の収入は元年度より多くなっています(AよりB、DよりEが多い)。「宣言」は、発出時から収入が多いのに、「コロナにより市税等が大きく減る見込み」と宣伝して福祉制度や市民サービスを削減するのに利用されていたのです。

事実隠し宣言を継続

令和3年度に入っても、収入が多い状況は続いています。(C・F・I・Lを他と比較してください)財政が非常事態などという実態はどこにもありません。

令和2年10月1日に「宣言」が発出され、半年後の令和3年3月には収入は増加して「大きく減る見込み」ではなかったことがはっきりしたのに「宣言」を続行し、福祉制度や市民サービスの削減を続けました。

令和3年の10月から令和4年度の予算編成作業が始まりました。この時点では収入はコロナの影響がない元年度より3年度の方が多いことがわかっていたのに、事実は隠されていました。(表1のC・Fを見てください)そして、削減された福祉制度は元に戻されず市民サービスの一部が回復した4年度予算となりました。

「宣言」が解除されたのは、収入が減ではなく増になったことが隠しきれなくなり、財政調整基金(市の預貯金)が約75億円と史上最高になった令和4年3月末のことでした。(表1のJ・K・Lを比較してください)

「宣言」の間違いは明白ですが、収入が増になっていることを知りながら、「コロナで市税等が大きく減る見込み」と言い続けて福祉制度や市民サービスを削減してきたことは問題です。しかも、この収入増ということは、市長、副市長、財政部長などの一部の人のみに知らされ、教育長や他の部長などの幹部にも知らされませんでした。課長以下の職員に知らされなかったことは言うまでもありません。市議会にも、市民にも偽りの説明がされていたのです。このような市政運営は許されるでしょうか。

表1 市税と地方交付税などの収入一覧

(にいざ民報 2022年10月2日 No.1963)