女性への暴力 終止符を 国際デー 世界各地で行動

暴力を無くそうと唱和する女性たち=25日、ベルリン(桑野白馬撮影)
暴力を無くそうと唱和する女性たち=25日、ベルリン(桑野白馬撮影)

国連の定める「女性に対する暴力撤廃国際デー」の25日、世界各地で、女性に対する暴力をなくそうと呼び掛ける行動が繰り広げられました。国連のグテレス事務総長は声明を発表し、「今こそ、女性・少女に対する暴力に終止符を打つ変革的行動の時だ」と訴えました。

「シェルター増設求める」@ベルリン

【ベルリン=桑野白馬】

ドイツの首都ベルリンでは、DV被害者を保護するシェルターで働く女性らが集会を開き、シェルターを増設し、暴力反対運動を拡充するよう求めました。

参加者は、女性や子どもへの暴力反対を象徴するオレンジ色のゼッケンを身に着け、「きょうは女性への暴力撤廃を目指す日だ」と唱和。「暴力を止めて」と書いたプラカードを掲げると、通行人が手を振ったり写真を撮ったりして連帯を示しました。

2021年に報告された国内のDV件数は14万件超で、女性の被害が8割を占めています。3日に1人の割合で、パートナーや元パートナーの暴力で女性が亡くなっています。

ベルリン市議会のバハール・ハガニプール副議長(緑の党)は本紙の取材に「ドイツでは家父長制が根強く残っている。いかなる暴力も許されないと主張していく」と強調しました。

ドイツ各地では「オレンジ色に街を染めよう」との呼び掛けのもと、さまざまな取り組みが行われました。

南部ミュンヘンではオレンジ色のベンチが設置され、コーブルクの路上にはオレンジ色の靴が置かれました。ドイツ労働総同盟(DGB)は各地でプラカードや横断幕を掲げて職場のセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)をなくそうと呼び掛けました。


女性に対する暴力撤廃の国際デー
レイプやDVといった女性に対する暴力の実情を啓発するため、1999年12月に国連総会で採択されました。ドミニカ共和国の独裁政権に反対した活動家のミラバル3姉妹が、60年11月25日に暗殺されたことにちなんでいます。


【しんぶん赤旗 11月27日付より】

(にいざ民報 2022年12月4日 No.1971)