岸田大軍拡に異議あり ジャーナリスト 志葉玲さん この政権こそ最大の脅威

岸田政権は、「ウクライナは明日の東アジア」などと言って、ウクライナで戦争に苦しんでいる人々の不幸を「利用」して、大軍拡を進めようとしています。ウクライナの現地を2度取材してきた経験から、本当に許せないことです。

敵基地攻撃能力の保有は、憲法9条に違反すると同時に、国連憲章に違反する先制攻撃になる危険があります。日本は敵基地攻撃の判断を米国の情報に頼ることになります。イラク戦争の場合のように間違った情報で先制攻撃を行うこともあり得ます。その意味では二重に問題だと思っています。

今年は米国のイラク侵略からちょうど20年です。イラク戦争は、国連憲章に違反した戦争でした。アメリカは反省していませんし、日本は検証も反省も求めていません。

敵基地攻撃能力の保有は、アメリカと一体となって、アメリカの戦争に参加するものです。日本の防衛とは関係ありません。先制攻撃を反省しない米国といっしょにたたかうことは極めで危険です。

気候危機や貧困と格差の問題など緊急に対応すべきことはたくさんあります。実質賃金が下がる中、物価高騰で国民の暮らしは大変です。命の危機をもたらしかねない軍拡にお金を使うべきではありません。軍拡のための増税や社会保障費の削減は許されません。軍拡に突き進む岸田政権こそ日本の最大の”脅威”です。

【しんぶん赤旗 3月27日より】

(にいざ民報 2023年4月2日 No.1986)