岡山市・総社市を行政視察 厚生常任委員会

岡山市 要介護になっても、生きがいを持って暮らし続けられる地域社会づくり
総社市 あなたにとってやさしいまち総社 障がい者千五百人雇用からみえてきたもの

厚生常任委員会は、7月18、19日に行政視察を行い、笠原進市議と嶋田好枝市議が参加しました。

総合特区・高齢者活躍推進事業

岡山市は2013年から在宅介護を推進する総合特区事業を実施しています。2022年3月から、モデル事業における「ハタラク」の実践がスタートしました。ハタラクを依頼する企業・団体、受注する介護事業者・デイサービス、実施する要支援・要介護高齢者の3者により成立しています。具体的には、店舗周辺草取り、お寺掃除、公園清掃、バザー販売商品づくり、ダイレクトメール配達、ラベル切り内職、介護用品づくり、軽作業・箱組み立て等の仕事をしています。TVでも放送されたそうです。活動を始めた本人が、以前よりずっと元気になったということがよく聞かれるそうです。活動が意欲や心身機能の維持・向上につながっていると考えられます。

中国地方で「住み続けたいまちランキング」で1位の総社市

総社市は人口6万9675人のまちです。総社市の「障がい者千五百人雇用の取り組み」は片岡聡一市長のトップダウンで始まりました。平成23年時点で18歳から60歳の障がいのある方は1200人で、そのうち働いている人は180人でした。残りの1020人を社会に呼び込み働いてもらおうと掲げたのが、「千人を雇用する」ということでした。千人雇用事業をスタートし、ハローワークと協定を締結し、就労支援ルームを設置。平成23年には障がい者千人雇用推進条例を制定、24年には障がいのある方と企業とのマッチングの実働部隊として障がい者千人雇用センターを設置、6年後の平成29年には千人を達成しました。その活動の中で、総社市の人口が増えだしたそうです。「人口を増やす政策は、徹底した弱者政策だ」と、片岡市長はおっしゃっています。

「総社デニムマスク」が人気に

コロナでマスクが不足した時に、市内の障がい者就労継続支援事業所で岡山県産のデニムを使った布製マスクを売り出し、全国から注文が殺到しました。30万枚以上売れたそうです。今も売っています。

障がい者がまちを元気に!

総社市には就労継続支援A型事業所が6ヵ所、B型事業所が12ヵ所あります。現在、1309人の方が働いていらっしゃるそうです。1500人までの実現は、目の前です。

私たちも、特定非営利活動法人のぞみ「福祉の店ニコニコ堂」のかわいいクッキーを買ってきました。

【嶋田好枝・記】

(にいざ民報 2023年8月13日・20日合併号 No.2002)